EMC技術解説を更新しました。
伝送路におけるGND電極パターンを広くしてGND電極全体を0Vに近づける、というのは現実とは異なる考え方なのです。そもそも活線側に信号(高周波)や電源の電圧がかかっているのにその対向側が常に0Vという考え方は電気回路学のような伝送路の長さ・形状を考慮しない回路モデルの考え方であって、その考え方をそのまま現実の回路に当てはめるのは適切ではないのです。
少し話題がズレますが、活線とGNDとはそれぞれ異なる方向に電流が流れるという考え方から、活線とGND間には所謂“フレミング左手の法則の力”による斥力が生じていると考えている方も居られるようですが、前述したように活線とGNDには異なる極性の電荷が移動することからそれらの電荷による“クーロンの法則の力”(引力)が働くので、先ほどの斥力はキャンセルされるとも言えるのです。理屈っぽい話になりましたが、結局のところ、実際の活線とGNDの間には引力も斥力も存在しません。