EMCの現場でありそうな課題をAIに聞いてみた。

当ホームページでは、過去に“チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?”、“最新チャットGPT4o、 またEMC設計を聞いてみた”、のページでEMC設計とAIについて記してきましたが、その後のAIの進展の中、EMCに関する実力を見てみたくなり、EMC対策の現場で起きそうな下記の不要輻射(EMI)の課題をAIに聞いてみました。

“電子機器のUSB2.0でクロック周波数の240MHzとその高調波が放射ノイズの規格値を上回ってしまった。先ずやるべき対策は何ですか?”

<ChatGTPで>

先ずやるべきこととして、

①クランプフェライトをUSBケーブルに仮付け
 240 MHz付近でインピーダンスが高いタイプを1~2個。数dB以上落ちれば共通モード由来が濃厚。

②ケーブルを交換(認証品・短いもの)
 改善すれば“ケーブル+共通モード”筋。

③RF電流プローブでUSBケーブルの240 MHz電流を測定
 大きければケーブル放射主因。

④近傍界プローブでUSBコネクタ周り/PHY周りをスキャン
 ピーク位置を特定して対策点を決める。

<Copilot(Smart)で>

先ずやるべきこととして、

①USBケーブルにクランプフェライトを仮付け → 240 MHz付近で高インピーダンスのタイプを1〜2個。数dB以上減れば共通モード起因の可能性大。

②ケーブル交換(短い/認証品) → 改善すれば「ケーブル+共通モード」が有力。

③RF電流プローブでUSBケーブルの240 MHz成分を測定 → 大きければケーブル放射が主因。

④近傍界プローブでPHY〜コネクタ周辺をスキャン → ピーク位置を特定し、局所対策を決める。

なんと、いずれのAIも殆ど同じアドバイスが出てきて先ずビックリ。更に、想像以上に良いアドバイスがくるなと思いました。けれど、①、③、④に関しては、“では具体的にどう対策すれば・・・”に関しては残念ながら記載が無く、各AIは“先ずやるべきこと”に続いて、“対策の方法・部品の使い方”更に“回路設計・基板設計の考え方”等を述べているので、結果的には基板設計のやり直しを迫るアドバイスとなっています。

しかしながら、もし今、機器・装置のEMC評価・対策中で問題を抱えている方は一度AIに聞いてみる価値はあると思いました。

今回は比較的アバウトな内容でEMC課題を聞きましたが、AIはユーザーのより詳しい状況を聞いてきます。より詳細な状況を入力すればより適切なアドバイスがもらえるかもしれません。また、ユーザーとしてはそういったアドバイスを予め入手できれば、製品設計の段階でのEMC設計にも活用できるかもしれません。

ただ注意する点として、AIに課題や困りごとを相談する際、書き込む内容が機微な技術情報でないことを意識しておく必要があります。特に無料のAIについては注意が必要かもしれません。

また、AIがアドバイスした事柄を実施・評価する際、その評価方法、評価基準に関して明確にできない場合があります。その評価に関して是非当社のPD適用、SD適用で期待される効果の程度を数値化して頂き、実施した対策の状況を記録して、その後のEMC設計のデータとして活かして頂きたいです。

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