EMCノイズ対策部品を削減したい。やはり回路設計段階から。

EMCノイズ対策部品は電子機器・装置メーカー側のEMC規格適合のために仕方なく使っています。設計する製品の動作の仕様にとってEMCノイズ対策部品(ビーズやノイズフィルタ等)は動作の障害にもなりかねず、EMC性能を満足させつつ製品の仕様の性能を確保できるように設計現場で調整・追加実装しているのではないでしょうか?また、製品の性能評価の段階で、後工程でのEMC評価に備えて、お守り的(お呪い的?)にEMCノイズ対策部品(コンデンサやフェライトコア)を事前に仕込んでおく場合もあるかもしれません。

こういったEMCノイズ対策部品は、製品のエンドユーザーに製品仕様上で提供する価値は全くないでしょう。ですから、セットメーカー側としては何とかEMCノイズ対策部品を使わないで済ませたいと考えます。しかし、製品の設計担当は、後工程の性能評価時に削除することを前提に最初予備的にEMCノイズ対策部品つけて試作してしまうと、後工程で外す検討をする時間を確保することができずに結局EMCノイズ対策部品をつけた状態で量産化となってしまうといったことに。こういったところはEMCノイズ対策部品を供給する電子部品メーカーの思う壺といった処でしょう。

ところで電子機器・装置の中でどの程度使われているでしょうか?ケースバイケースかもしれませんが、電子部品の員数構成で10%以下程度になるのではないでしょうか?例えば、使用電子部品が1000個(比較的大規模の回路基板になりますか?)レベルで100個程度。部品コスト、管理費、実装費等を考慮すると実はEMCノイズ対策部品に結構なコストが掛かります。全てが無駄、ではないとしても半分程度にはできないか、考えたくなると思います。

こういったEMCノイズ対策部品の削除は”気合”や”勢い”ではなかなか上手く行きません。EMCノイズ対策部品を一度つけてしまうと、外すことによる機器の弊害検討を行う必要がありますから時間的なロスが大きく結構厄介です。EMCノイズ対策部品の削除はがやはり機器設計初期の段階で行うべきものなのです。そのため回路設計段階でシミュレーション検討してEMCノイズ対策部品の必要性を検討しておくことが最も有効です。回路設計におけるSPICE_Sim(例えば波形)は実際の結果と非常によく一致します。そのうえ通常のPCで瞬時に計算でき、素子の条件変更等で目的の特性を得ることができます。 このようなシミュレーション検討として、当社がEMC設計として提供している”PD適用”、”SD適用”は将にEMC対策部品の削減検討に適しています。これを是非回路図検討段階で実施して頂きたいです。この実践に向けては設計技術者の”気合”や”勢い”は必須となりますかね。

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