不要輻射(EMI)対策の現場で、何となく機器・装置等のフレームグランドがアンテナとなってノイズを放出しているのではないか、等と考えてしまうことはないでしょうか?そんな時、フレームグランドにフェライトコアを嵌められないだろうか、なんて思ってしまうことはないでしょうか?対策活動が苦しくなってくるといろいろ妄想してしまうものです。
当ホームページの“24. フレームグラウンドにノイズ電流ッ!、、、普通に流れます。”でも記しておりますが、フレームグラウンドにノイズ電流が流れ、それがノイズの不要輻射(EMI)の要因になることは明らかであり、その状況は電磁界Simでも確認することができます。
EMI対策を検討している機器・装置の内部のエレキ構成にもよりますが、もしメイン基板とサブ基板があり、それらをハーネス(ケーブル)で接続する構成がある場合、大概そのハーネスにフェライトコアを装着してEMI対策の効果を得ていることでしょう。そこで更なる効果を期待して上記したような“フレームグランドへのフェライトコアの装着を妄想してしまうのかもしれません。
このフェライトコアに関しては当ホームページ“EMCノイズ対策部品のフェライトコア。EMI対策の定石?”の中でも触れていますが、そのEMI低減のメカニズムについて、電磁界シミュレータ(CST Studio Suite LE)を使って検証してみました。

図-1
図-1はSim検証するためのモデルであり、信号ラインとGNDラインの対でハーネスを想定したモデルとし、そのハーネスモデルの下方にベタのGNDパターンを配置してこれでフレームを想定したモデルとして、同一フレーム内でメイン基板からサブ基板に信号を伝送している構成をSimモデルとしてみました。
ハーネスのGNDラインは下方のベタのGNDパターンと接続しており、信号ラインとGNDライン対の一方の端に信号源、他方は開放の状態にして、信号ラインとGNDラインの対の信号源側の近傍にフェライトコアを装着(コアの中央の隙間にハーネスを通す)した状態にしています。
図-2
図-3
図-2は信号入力後0.9ns後のSim結果であり、図-3は上記のフェライトコアをハーネスに装着しなかった時の信号入力後0.9ns後のSim結果です。図-2、図-3を比較して観ると、フェライトコアの有り/無しにより、ライン対(ハーネス)の下方のベタGND、即ちフレームでの電流値及びその分布はフェライトコアが有る時の方が小さくなっていることが分かります。
このメカニズムは当社のホームページ“24. フレームグラウンドにノイズ電流ッ!、、、普通に流れます。”でも説明していますが、図-4に示すように、信号ライン対又は電源ライン対の活線側及び、フレームGND(図-2、3ではベタGND)を流れる電流Igに対してフェライトコアがインダクタとしてチョーク(電流を抑制)しているためなのです。


