日本人初のESDを体現? 平賀源内のエレキテル

最近テレビの某時代劇の中で平賀源内が活躍するシーンが話題になったりしています。実は私の子供の頃にも平賀源内が主人公の時代劇があってちょっとしたブームになったことがありました。平賀源内と言えば彼が作ったエレキテル(長崎で壊れたオランダ製のエレキテルを入手し、独力で修復したとか)が有名ですが、彼なりの工夫によって世間にお披露目できたようです。エレキテルに関してはインターネット検索等で調べてみると、所謂摩擦電気(静電気)を利用したもので、起電機の類のようでした。

現在に比べ材料(素材)が限られていた江戸時代で、摩擦電気(ESD)に必須となる絶縁度が高い材料及びその組み合わせはどうしたのでしょうか?既にガラス材料(ライデン瓶等)はあったようですが、その材料をどう加工したのか?また、導体となる金属材料に関しても線材や板材(金箔等はありますが)が無い時代にどうやって極材にしたり配線をしたりしたのでしょうか?今に比べいろいろ制限のある時代。無いなりの工夫をしたのでしょう。

ただ、江戸時代の人々にとってESDによる火花放電は見世物にもなるくらいだったので、珍しい光(閃光)であって、通常生活ではなかなかお目にかかることがない現象だったのかもしれません。そのうえ医療器具(迷信じみていますが)としても使えるなどと考えたようなので、縁起かつぎや邪気を払う目的で“切り火”を使って火花を見ていた人々にとって、雷は嫌いでも小さな火花に対する気持ちは肯定的なものだったのかもしれません。

今の時代においては、プラスチックを始め絶縁性の高い素材が生活の中にあふれていますので、静電気は極めて身近に経験する現象になりました。私たちが普段着る衣料について見てみると、その材料は高分子系の化学素材であり、その分子構造は電荷(電子)の偏りを有している(分極のし易さを意味します)と共に素材自体の絶縁性の高さ(当社の“ESD設計 技術&学術”で解説しています)から異なる素材の重ね着などをした時などは、異なる素材(衣料)間の擦れ合いにより素材間の電位差の上昇と帯電(蓄電:電圧維持)が起こり易くなります。その帯電(電圧)は人体表面(高抵抗ですが導電性なのです)を通して電荷を押し出す作用により指を介してドアノブなどのヒトが触れる金属に放出されます。即ち、指先で起きるあの“バチッ”(火花放電)が起きるのです。見方を変えれば、現代人はみなあのエレキテルを身に着けているともいえるのです。

静電気による指先の“バチッ”(ESD)は誰もが避けたい嫌なものでしょう。しかし、現在の人々はそれを避けることは困難です。もし、このESDを避けたければ、常に絶縁性のある手袋をして生活する方法があります。ただまあ四六時中手袋をするのが嫌なら、江戸時代のように木綿や麻の服を着、わらの草履を履くといった格好で、旧来の木造の家に住み、木材の道具を使った仕事をするという生活様式にすればESDとは無縁になれるでしょう。できるかどうかは分かりませんが。

結局のところ、現代の私たちは静電気(ESD)と共に生活しなければならないのです。そのため電子機器にとってESD耐性は必須のイミュニティということになります。当社は、ESDに関します資料の公開や無料のセミナーも行っております。お問い合わせを頂けるとありがたいです。

尚、上記した起電機と言えば現在では理科の実験室等で見かけるバンデグラーフ起電機(大きな銀色の金属玉が付いた装置)が有名です。この装置はベルトと2個のプーリーとによる異なる材料の表面間に生じる電位差を利用して火花放電を発生させることができます。ただバンデグラーフ起電機では所謂材料同士が擦れ合うような摩擦機構はありません。(“ESD設計 技術&学術”で解説しております。)起電機は高電圧を発生させることはできますが、継続的に放電電流を流せない性質があります。当然ながら湿度にも影響されます。そのためその放電電流を維持させる(電荷を溜めては放出を繰り返す)ために蓄電器の機構が構成されています。因みに、電気を起こす装置は“発電機”では、と思われる方もいるでしょう。一般的には“発電機”は磁界変化をコイル口に与えて電気を発生させる方法(ファラデーの電磁誘導の法則の応用)のものを指します。発電機は継続的に磁界変化(磁石のNS極の回転運動)させることで継続的に電流(交流)を流すことができます。

話は変わりますが、私の現役時代にお世話になったある営業の方に、“コンデンサ(キャパシタ)は電荷を溜めるから蓄電器。ではコイル(インダクタ)は?”、と聞かれたことがありました。ある人は磁気を溜めるから蓄磁器では、などと言っていましたが、今の私としてはコイルに流れ込む電流に対してコイル側がそれを阻止する電流を自身が発電(起電)して流しだす性質なので“発電器”では、と言いたいですが、如何でしょうか?

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ESD設計 技術&学術

ESD試験(IEC61000-4-2)対策に関する技術資料

ESDサージ・雷サージ・・・何が起きているのか、ご存知?

サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

32. ESD対策、物理屋が出番?ESDガンの特性はやっぱり物理的!

33. ESD試験で被試験機に不具合発生・・・原因は火花放電の高周波成分 ➡IC故障

EMC設計、“勘と経験”はDXの障害になっているかも・・・

日々商品を送り出す現場の中で、EMC課題に取り組まざるを得ないEMC関係者もおられるでしょう。それぞれのメーカー様では新商品送り出し(ローンチ)の現場でもしEMCが問題になって、更に手詰まりの状況になっているとしたら、ローチスケジュールをキープできるかEMC担当も責任者も気が休まらない時間が続くでしょう。

商品のEMC対策の現場で打つ手としては大概下記のようなことではないでしょうか。

①ハーネス、ケーブルがある機種では先ずは姿勢調整・ケーブルのフレームへの貼り付け等

②ハーネス、ケーブルのフェライトコアの装着・追加

③回路基板の電源系パターンとGNDパターン間へのパスコンの追加

④回路基板の信号ライン(CLK等)へのビーズの挿入・コンデンサの付加

⑤問題のノイズ帯域を抑制するために何らかのフィルタを装着

等、このような手を打つのが常套手段でしょう。これで課題解決すればよいのですが、解決しなかった場合が大変なことになる訳です。ましてEMIの規格値に対して依然として10dB以上オーバーしているとしたらもう打つ手はない厳しい状況でしょう。

ただ、そんな時に実際にその対策を担当している方はその原因が自分に責任があるかのように考えてしまうことだけは絶対にしないで頂きたいです。何故なら、その原因は回路設計や実装設計の“不味さ”(たまたまその知識・情報がない)だからです。この状況にEMC対策に慣れた勘と経験のある年季の入った技術者が登場しても状況の改善は難しいでしょう。(この状況の中でズブの素人が出てきて一気に課題を解決に向かわせたという話(伝説)をよく聞きますが、真偽はともかくそういう願いがどこにでもあるからなのでしょう。)

先に記した回路設計の“不味さ”を理解して頂くために、当ホームページで紹介しているPD適用SD適用を是非検討して頂きたいです。PD適用SD適用を回路図設計段階に行うことで定量的な評価によりEMI(不要輻射)のリスクを事前に回避することが可能なのです。また、実装設計、特に回路基板設計(A/W)に関しては当社が提案しているWDの実践によりPD適用、SD適用で設計したEMI低減効果を実効性のあるものにすることができます。こういったEMC設計は事前にEMIのリスク回避として実施しておくべきことなのです。

当ホームページで紹介している、PDSDWDの検討はPC、即ち所謂デジタルの状態で行われますのでDX時代のEMC設計手法と考えておりますが、勘と経験を強み(と思い込んでいる)としている回路設計・実装設計の技術者にとっては面倒くさく、時間の無駄な方法のように思えるかもしれません。確かに、設計ツール(シミュレータ)をオペレートする(知る・勉強する)には時間を要します。しかし、一旦習得できればその後は時間を要することなくいろいろな状況で利用・応用することができます。今までの勘と経験の技術にも定量的な理解ができるようになります。更に、新たにEMC設計を行う新人に対しても勘と経験を前提とした指導をすることなく、ツールを用いて定量的にEMC設計を指導することができます。

モノ作りの現場は人手不足・技術者不足になりつつあるでしょう。よりスムーズ(時間の無駄なく)にモノ作りを進める上でDXは必要不可欠です。勘と経験での連戦錬磨のEMC対策の技術者が高齢・引退していく状況を憂いている方もいるかも知れませんが、寧ろそういった憂いを切っ掛けにEMC設計のDXに大きく踏み出して頂きたいです。

当社は、PDSDWDに関する資料の公開や無料のセミナーも行っております。お問い合わせを頂けるとありがたいです。

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PD適用に関する技術資料

SD適用に関する技術資料

WDに関する技術資料

EMC設計 MBDでDX! 技術&学術

5. 回路基板におけるEMC設計の実践と検図。当社のWDを提案。

3. 信号ラインのダンピング抵抗、当社のSD適用のSimモデルで抵抗値を設定。

2. ICの電源ライン、パスコン最適化に当社のPD適用。

EMC対策、配属新人にとって先ずやるべきことは・・・

EMC関係の評価及び対策を担当されている方々は、対象機器でEMC上の不具合に出くわした際に、“こういった不具合に対しては先ずはこの対策を”と直ぐに対策方針を即座に立て、不具合処理に着手するでしょう。その方法は少なくとも50%以上の確率で上手く行き、大きな問題に発展させることなく、担当の業務を処理していると思います。これは担当者が過去に対応した対策事例を基に培われた所謂、“勘と経験”が新たなEMC課題に対して功を奏している状況であり、長い期間経験することによりその“勘と経験”は武器となり、いつしか熟練技術者としてリスペクトされる対象になっていることでしょう。

日々新商品を投入している各機器メーカー様ではEMC性能評価として熟練技術者だけではなく、新たに職場に配属された若手や他分野の技術者(EMC分野の新人)もEMC対策の現場に臨まされていることでしょう。EMC対策の経験の少ない新人の方々にとって、EMC課題に出くわした時に不安になることは課題対策として先ず“何をすべきか”、ではないでしょうか?この“何をすべきか”、を思った時に先ずは“基礎や原理から学ばないと”、と思われた方は、真面目な方だと思います。本当にその通りです。ですが、その道のりはご自身の過去の専門分野にもよりますがとても時間が掛かります。高周波回路学や電磁気学はそう簡単に理解できるものではありません。また、市販されているEMC関連のハウツー本が手っ取り早そうに見えたりしますが、実は学術的にあまり適切ではない解説がされているものもあります。

例えば、電磁気学的な理解ができていないMaxwellの方程式の説明とか、電磁波(ノイズ)伝搬の考え方、電流における電荷と電子の概念の違い等、他にも沢山あります。更に残念なのは現在多用されているロジック半導体のCMOSトランジスタに関する知識が乏しいことで、古めの書籍(かつての技術屋さんの記事?)ではバイポーラトランジスタで説明しているものがあったりします。世の中、次から次へと新刊のEMC関連書籍が出てきていますので、選択方法の一つとしてバイポーラトランジスタを使った回路図の記載があったら、その書籍はやめた方がよいでしょう。“回路の動作原理は同じでは”、と言われる方がいるかも知れませんが、電流・電圧の使われ方が異なりますのでEMC対策のやり方も変わります。

それでも、EMC関連のハウツー本等で知識(適正かどうかに関わらず)を得たとしても多分その知識によってEMC課題を解決する上ではあまり役に立たないでしょう。何故ならば、それぞれのEMC課題に対して実際にやるべきことが書かれていないからです。基本的にはハウツー本等での知識を基に実際の活動は“自分で考える”、ということを期待されているからです。

“自分で考える”はどんな仕事でも期待されることですが、EMC関連のハウツー本からでは難しいだろうな、というのが当方の思いです。

当社はPD適用(基礎編・実践編)SD適用(基礎編・実践編・差動編)をEMC関係の方々に、EMC対策・EMC設計で先ずやるべきこととして紹介しております。ユーザーの方々はSimツールを使ってそれらのノイズ低減効果を体験して頂けます。またそれを通してノイズ低減における最低限の知識や気づき・納得感を得てもらうためのセミナーとして“EMC設計 MBDでDX! 技術&学術”を用意しております。更にWDでは回路基板のアートワーク設計で、検討したEMC設計を回路基板上に実践するためのデザインルールを紹介しております。

熟練技術者でも解決に結果として時間を要してしまったEMC対策の経験も30%程度はあったのではないかと思います。その際に感じることとして、やっぱり“EMC課題解決には原理・原則だ”、ということを思うのではないでしょうか?その30%に貢献できるのも当社のセミナーではないかと思っています。

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5. 回路基板におけるEMC設計の実践と検図。当社のWDを提案。

3. 信号ラインのダンピング抵抗、当社のSD適用のSimモデルで抵抗値を設定。

2. ICの電源ライン、パスコン最適化に当社のPD適用。

ESDサージ・雷サージ・・・何が起きているのか、ご存知?

EMC担当で、対象機器の外部からの脅威の耐性(イミュニティ)として、ESDサージや雷サージの試験で手を拱いた経験をお持ちの方は多いでしょう。何か対策を施して試験にかけるといったことを繰り返しても、これといった解決の方向性が見えず、時間だけが過ぎ、担当者としてはただ疲労感だけが蓄積していく、といった窮地に・・・。結構つらい状態です。

こう言った時、対象機器にサージを印加した時に何が生じているのだろう?という疑問を抱いても、やはりそのサージに対する電気的、物理的な技術や知識がないと考察することはできません。でも大抵は対策活動を続けていればいつか“ナントカなる”という信念で頑張られる方が多いでしょう。事実、上司からの“何とかしろ”とのアドバイス(?)の下、何とか解決できたという経験を持つ方も大勢居られるからです。やはり、課題解決には気合も重要な要素かもしれません。

ですがまあ、雷サージ・ESDサージの背景に関しては先ずは当社の“雷サージ試験・電源回路Sim &対策”“ESD試験(IEC64000-4-2)対策”のセミナーを受講することを勧めします。雷サージ・ESDサージ試験の背景を理解する手助けになると思います。

サージとは対象機器への外部からの過大電圧が侵入した際に機器内に生じる異常電圧をサージ電圧及び、それに伴うサージ電流を指します。従って、サージ電圧又は電流を疑似的に印加するのが、雷・ESDの各試験となります。

これらサージ試験に関して、混同したイメージをお持ちの方もいるかも知れませんが、雷サージはESDに比べ、約千倍程度サージが影響する時間(雷サージはマイクロ秒レベル、ESDサージはナノ秒レベル)が長く、ダメージとしてのエネルギーも100万倍以上大きくなります。また試験における雷サージは誘導雷と言われる落雷時に間接的に商用電源線等に生じる影響(大まかな言い方ですが)であって、落雷の直撃ではありません。

また各サージ試験により対象機器の構成部品に対してその性能の劣化・不具合を生じさせることはあっても、通常(特にESDでは)、その部品外観にまで変化(ダメージ)を生じさせる程のエネルギーとはなりません。

こう言ったサージへの耐性設計の方針として、少し解説しますと、対象機器に試験パルスを印加した際に対象機器内に生じる2次的な火花放電を制御することが重要になります。この火花放電の本質は空気のプラズマ(イオン化)状態であって、電気回路的な概念・知識では扱えない現象なのです。これらに関して、もしご興味がありましたら当方のそれぞれのサージ試験に関するセミナー及び、ESD設計技術&学術のセミナーで紹介しております。是非参考にして頂きたいです。

少し話は変わりますが、雷の発生原因や雷発生に伴う様々な現象等については未だ解明されておらず、現在に至ってもいろいろな学説があるようで、業界誌等の絵で紹介されているような、地上側が+、雷雲側が-に帯電して雷発生と言った単純なものでは無いようです。そもそも雷雲から地上への落雷の頻度は雷雲の中だけで生じる雷よりかなり低いのです。最近、宇宙からの光速微粒子(宇宙線)が関係するとの説も注目されたりしています。私としては、雷発生時の光が閃光(稲妻)の成長を助長しているのではないかと考えています。稲妻の閃光は空気のプラズマ(空気(酸素や窒素)分子のイオン化による分子の電子の励起と逆励起の繰り返し)によって生じる光なので、プラズマ化していない周囲の空気を次々と励起(光電効果)していく、所謂連鎖が生じて一連の稲妻が形成されるのではないか、などと。

山登りでは雷ほど怖いものはないのですが、高地になるほど雷は上方からではなく横とか下からくるといいます。雷が来そうなときはできるだけ早めに森林地帯に入れるように事前に行動予定を立てることが重要です。これも雷対策ですかね。

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雷サージ試験・電源回路 Sim & 対策

ESD試験(IEC64000-4-2)対策

EMC設計技術

サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

雷サージ対策 対策部品は無くてもよい!

最新チャットGPT4o、またEMC設計を聞いてみた

昨年(2023年)4月頃に“チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?”を投稿しておりますが、その当時はChat GTP3.0を使用しておりました。最近Chat GTPは著しく進化したChat GTP4o(無料:詳細については関連サイトを参照して下さい)を使用できるようになり、レイによってEMC設計について聞いてみました。尚、使用方法は従来と変わりませんが、応答の速度がとても速く、返答内容も従来よりも最新の情報が反映されているように思いました。AI技術の進化を感じます。

先ずは“EMC設計について教えてほしい”と聞いてみると、、、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1. ノイズ源の特定と抑制

ノイズ源の特定:回路内でノイズを発生する要因を特定します。例えば、高速スイッチング回路や電源供給回路などが一般的なノイズ源です。

ノイズ抑制:フェライトビーズ、チョークコイル、デカップリングコンデンサなどの部品を使用してノイズを抑制します。また、回路設計の段階でノイズの発生を抑えることも重要です。

2. PCB(プリント基板)の設計

レイアウト:高周波ノイズを発生しやすい回路と敏感な回路を分離し、ノイズが伝わりにくいレイアウトにします。

グラウンドプレーン:グラウンドプレーンを適切に配置することで、ノイズをグラウンドに流し込み、システム全体のEMC性能を向上させます。

信号ラインの配線:信号ラインの長さや経路を最適化し、不要なクロストークを減少させます。

3. シールド

シールドケース:金属製のシールドケースやシールドシートを使用して、外部からの電磁波を遮断します。

シールドケーブル:シールド付きケーブルを使用することで、ケーブルを通じたノイズの伝導を防ぎます。

4. フィルタリング

パワーラインフィルター:電源ラインにフィルターを挿入することで、外部からのノイズを除去し、機器内部から外部へノイズが伝導するのを防ぎます。

シグナルラインフィルター:信号ラインにもフィルターを設置して不要な高周波成分を除去します。

5. 絶縁

ガルバニック絶縁:トランスやフォトカプラを使用して電気的に絶縁し、ノイズが伝わるのを防ぎます。

6. 試験と対策

EMC試験:製品がEMC規格に準拠していることを確認するために、適切な試験を行います。一般的な試験には、放射エミッション試験、伝導エミッション試験、イミュニティ試験などがあります。

問題の修正:試験で検出された問題点を修正し、再度試験を行います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・・・等と答えてきます。(返答のコピー)

回答の各項目は、まあ、“当たり前”だなという感じで、“だからそれをどうやってやるのか?”というEMCの現場の担当者であればフラストレーションさえ感じてしまう内容ではないかと思いました。EMCの現場はそれぞれケースバイケースなので先ずはお題目を並べて、各自が詳細な検討するということになるのでしょう。

それは仕方がないこととして、“EMC設計の著名人を教えてほしい”と聞いてみると、外国の方々、更に日本人の方々の名前が出てきました。しかし、私の勉強不足のせいなのでしょう、存じ上げる方々ではありませんでした。EMCの業界は狭いものと思っていましたが、ちょっと残念でした。

更に、“EMC設計イノベーション.comを知っていますか?”、と当社に関する質問をすると最新のChat GTPはちゃんとEMC設計のコンサルの会社であることを回答してくれました。ちょっと安堵しました。調子に乗って更に“EMC設計イノベーション.comの評判は?”、“EMC設計イノベーション.comの注目される技術は?”等を聞いてみると、ちゃんと回答してくれました。その内容についてはこのブログを読んで頂いた皆様で是非ご確認下さい。

*関連ページ

チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?

AI、EMC対策にも進出

MBDの活用 ・・・➡現象のメカニズム理解・スキル向上の活動に

最近、自動車メーカーの開発部門におけるMBD (Model Based Development)活用の状況を聞く機会がありました。話題のMBDですが思った以上に開発・設計部門で活用されていることが分かりました。しかしまあ、MBDに関する関係者間での公開フォーラムが行われているというのは、まだまだ先進的な方法であって、本当の活用レベルは想像するしかないものの、カッコよく見せられるレベルにはある、というところなのかもしれませんが、やはりこれからの開発・設計においてMBDはより浸透していくものと確信しました。

ある自動車メーカー様のプレゼンの中で、MBDの開発部門内への浸透にはそれなりの苦労があったようで、今までのやり方に固執する保守的な方々(所謂、抵抗勢力)もいる中、必ずしもスムーズにできたのではないようでした。しかし、一度MBDを使ってみると(ここまで行くのが本当に大変)その有効性、自身の技術力向上に気づきMBD活用をするようになったようでした。このメーカー様はプレゼンされたご本人が部門長としてトップダウン(業務命令でしょうか?)で進められたようでした。さすが先進性のある方向への英断だったと思います。

自動車業界でのMBDの活用は既に個々のモデルが会社間でも流通されているようで、各メーカー様の開発部門におけるコスパ・タイパ(時短)で効果を上げているようでした。

当方が関わるEMC設計へのMBDの適用については、当方の記事“10. EMC設計、レガシー3D-SimからMBD (1D-CAE)へDX!”で既に記載しましたが、ある自動車メーカー様のプレゼンの中で述べられていたことで、私も全く同感である事柄がありました。それは、MBDを活用するためのシミュレーションできるモデルを検討することになりますが、このモデル自体を検討することは、現象のメカニズムを真剣に考える必要があるので、結果として担当者の現象に対する理解力・スキルを確実に向上させることができる、ということです。

更に、そういった理解力・スキルが開発・設計プロセスにおいて共通性があるということを見いだせれば、その情報・知識を部門内において共有できるようになり、そのプロセスにおける生産性を向上させることができる、ということです。即ち、ある技術者がある機種で苦労して検討した課題をモデル化しておけば、他の機種で似た課題を他の担当者が遭遇した際に、そのモデルを使って苦労することなく検討することができるといった効果です。

現場のEMC対策を経験してきて、強く感じたことは“現場のEMC担当者が理解できるレベルの範囲でしかその対策はできない”、ということです。やはり、真のEMC設計・対策を実践することは、“その各担当者の理解力・スキルを向上させること”、なのです。MBDを適用させていくことは、担当者レベル(高価なシミュレータをオペレートする専門的レベルは必要ない)で行えるので、各担当者の理解力・スキルを向上させる活動となるのです。

当社はユーザーの皆様にEMC設計でのMBDの考え方をご紹介して参ります。是非ご検討の程よろしくお願い申し上げます。

関連文献

10. EMC設計、レガシー3D-SimからMBD (1D-CAE)へDX!

MBD、EMC設計を革新

DX時代のイノベーション

ESDシミュレーションに新たなソルバー登場!

ESDガンを使ったESD試験(IEC61000-4-2)に関するシミュレーションに関しては、タイムドメイン(トランジェント)を使った電磁界シミュレータにより電流・電圧の状況を可視化できることをいくつかのシミュレータベンダーより紹介されています。また、私も現役時代に被試験機に対してSimによる可視化を行ってきました。但し、そのシミュレーションはESDガンを被試験機のフレーム(通常はGNDに接続)に接触させる接触放電試験向けであって、気中放電試験を対象としたものではありませんでした。

そこで接触放電と気中放電で何が違うかというと、先ず接触放電試験ではIEC61000-4-2の規定に準じたESDの電流波形(規定されたファラデーゲージで観測)を被試験機のフレーム等に直接印加する形式ですので、ESDガンによる試験環境を電気回路学と電磁気学の知識を駆使してモデル化すればトランジェント系の電磁界シミュレータでSimすることができます。それに対して、気中放電はESDガンのチップ先端と被試験機のフレーム等の間の小空間(ギャップ)を設定してそのギャップで火花放電を起こしてESDの電流を印加する形式となります。この時の火花放電をシミュレータに取り込むために電気回路学とか電磁気学を適用してのそのモデル化は困難だったのです。

火花放電にはいろいろな特徴がありますが、根源的にはプラズマ現象で生じているため物性物理学的な要素を持ちます。それに伴う電気的な性質として、

①ギャップが特定の電圧差に達するとプラズマ(火花放電)が生成し、(パッシェンの法則)

②ギャップの電気抵抗は無限大から略0に変化します。(ギャップ・陽光柱は定電流特性)

③発生プラズマには継続できる時間(nsレベル)があり、

④前述のギャップの電圧差(放電開始電圧)よりも多少低い電圧差まで継続します。(続流現象)

⑤当然のことながらプラズマが消滅するとギャップ間の電気抵抗は略0から無限大に変化します。

かつて、とあるシミュレータベンダーからこのギャップに抵抗モデルを適用することにより気中放電をシミュレートできるとの提案がありました。しかし上記①~⑤の事柄をシミュレートするのは無理ではないかと思われました。

しかし、最近EMC・ノイズ対策技術展を見学しまして、ESDの新種のシミュレーションソルバーが提案されているのをたまたま目にしました。

詳細についてはよく分からないのですが前述のギャップ空間にプラズマに関する物理的な連立方程式を適用しモデル化して、プラズマ発生をシミュレートさせた、とのこと。等価回路の適用等という無茶な方法ではなく、本質的なプラズマ現象を適用した点は“サスガ!”と感じました。説明員の話によると計算結果は完全ではないもののパッシェンの法則に従うという。すばらしい!

そのシミュレーションの簡単なデモを展示会のブースで見させてもらいましたが、かなり期待できる気がしました。ただ、火花放電が起きそうな箇所に先ほどのプラズマを計算するための物理的空間を適用し、それ以外の空間には、電磁界空間を適用するという形式になるため、適用先は限定されるかもしれませんが、例えば気中放電試験で得られた結果に対する解析のためには極めてよいと思われました。

当社はESD試験対策について当社のHPの記事、“ESD対策、スキャナツールの解析は有効?”の中でも記載しておりますが、ESDガン印加による2次的火花放電の発生を疑うことを紹介しております。将にこの可視化検討Simとして、有効なツールになり、新たな知見が得られるものと思われました。

このようなESD試験検討後の対策に関して有効な施策の例を当方のIEC61000-4-2(Part-II)とセミナーの中で解説しております。是非ご参考にして頂きたいです。

関連ページ・・・こちらもご覧ください。

27. ESD試験時の2次放電発生の予見をsimで確認・・・これが不具合原因!

ESD対策、スキャナツールの解析は有効?

”ESD対策の新たなる進展はあるのか?”

”ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

ESDスキャナで観測。でもやっぱり対策はいつものGND強化?

”4. ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

“ESD試験(IEC61000-4-2)対策に関する技術資料”

サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

機器・装置/ロボットにトラブル発生!不具合解析に行き詰まったら...

空気の乾燥はESD(静電気)対策の大敵?

サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

今年も梅雨の時期となり、EMC試験の現場では試験環境の湿度は高くなりがちではないかと思います。静電気、放電といった言葉を聞くと“空気の乾燥”が原因と考える方が多いと思います。それは自然界における静電気現象として正しいのですが、EMS(イミュニティ試験)としての放電・サージ関連の試験は実は湿度が高い方が機器・装置にとって不具合発生のリスクが高まります。(詳細については当方のIEC61000(Part-I)及びコンサルブログ“空気の乾燥はESD(静電気)対策の大敵?”の中で解説しております。ご興味のある方はそちらを参考にしてください。)

この辺が、ESD試験が実際のESD現象とは異なるメカニズムである反証となるのですが、でもまあESD試験をパスすることが開発機器を一般市場に出すためのルール(規格)として必要になるので、試験をパスさせるための対策作業が必要になる訳です。

かつて私もESD試験の現場で原因のよく分からない不具合発生とその対策に結構苦しめられた経験があります。その当時はESD試験に関する原理やメカニズム等を全く理解していなかったため、何か機器・装置にそれらしい対策を施してひたすらESDガンの引き金を引いておりました。当然のことながら対策が上手く行かず暗礁に乗り上げて、対策が行き詰まる状況になったりしました。

ただ、ESDパルスの印加と不具合発生に関してパルス印加による機器・装置内での2次放電発生の関係に気づいてからは不具合発生の対策方針を立てやすくなりました。この2次放電の発生は、対策環境の湿度が高くなると発生しやすくなる傾向にあります。少なくともESD試験の湿度範囲(相対湿度 30~60%)で、できれば低めの湿度で行うべきです。大概、ESD対策時の担当者はESDガンの設定電圧や打ち込み回数・頻度を高めに設定して行うでしょうから、湿度を低めの状態で試験を行っても機器・装置の耐ESD性能の評価に問題は無いでしょう。

尚、ESD試験対策として有効な施策の例については、当方のIEC61000(Part-II)の中(セミナー)で解説しております。是非参考にして頂きたいです。

この時期のESD試験を行うシールドルームの壁面等は冷房等により結露が生じ易い状態になっていないでしょうか?もし結露が生じるような状態でしたら是非、試験環境の湿度を気にして頂き機器・装置のESD試験対策をやって頂きたいです。

関連ページ・・・こちらもご覧ください。

27. ESD試験時の2次放電発生の予見をsimで確認・・・これが不具合原因!

ESD対策、スキャナツールの解析は有効?

”ESD対策の新たなる進展はあるのか?”

”ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

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”4. ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

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ESDシミュレーションに新たなソルバー登場!

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空気の乾燥はESD(静電気)対策の大敵?

企業技術者のリスキリング・・・EMC設計も是非!

昨今、日本国政府による中高年企業人(新しいことにトライする機会がなかった方々)向けにリスキリング(re-skilling)を支援する施策が行われています。

私の現役の頃にはそんな支援は当然ありませんでしたが、担当していた技術(特に高周波関連)は技術トレンドが結構早く変化していたので、自分が見出した特許技術も数年後に陳腐化するという経験を目の当たりにしていました。そんな現場にいましたので、担当した技術の現場も転職を含めて結構変わり、それぞれの新たな仕事に合わせた知識・技術の習得(シミュレーション利用)をやってきました。まあ今風に言うところのリスキリングを当たり前にやっておりました。

また、特に企業のエレキ技術者にとっては未踏の領域(フロンティア)等は殆どなく、先駆の技術者によって殆どのエレキの領域は開拓されており、その知識・ノウハウは多くの文献(技術報告書等)で紹介されているので、自分にとって新たな分野・領域に進む際にはそれらを事前(又は業務を進めながら)に調べておくことが新たな仕事を進める上で非常に役立ちました。

しかしながら、かつての私の周辺にはそういった準備を怠り、勘と経験・耳学問のみで仕事に取り組む輩も居り、当然ながら出せる結果も“やらなくても分かる、金(百万クラス)と時間(週間単位)の無駄遣い”といったものを多々目にしました。中には科学的な立場さえ無視した妄想ばかり言う、“無知の極み”の愚かささえ気づかない輩もいました。(大概こう言う人は声がデカい!責任も取らない!)

昨今のエレキ関係では同じ業務を長く続けることは残念ながら今を生きる技術者にとっては良くないこと(不幸)だと思います。やはり多くの技術が身に付くように多くの技術の現場を経験(リスキリング)すべきです。私の場合、長年担当した高周波技術や実装技術、IC設計技術が現在の当社が紹介しているEMC設計の基盤になっていますし、一見関係がなさそうなプラズマ関係をかつて担当した際に勉強した事柄が現在の当社のESD設計の基盤になっております。更に、それらの設計にシミュレータを適用するというのも今までの経験が活きております。

現在、企業のエレキ技術者として活躍されている方々は、是非多くの領域で新たな仕事にチャレンジ(リスキリング)をして頂き、多くの知識・技術を得て頂きたいと思います。そして、その中で是非EMC関連も経験して頂き、できれば当社のEMC設計のセミナーもご活用して頂きたいです。

新しいEMC設計の考え方、更にDXの方法についてご紹介致します。

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チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?

EMC設計を昨今流行りのチャットGPTで何か役立てることができるのか?当方も早々チャットGPTをインストールしてEMC設計についていろいろ質問をしてみました。

結論として、基本的にチャットGPTは会話型の検索エンジンですので、ある程度EMCの知識のある方々にとっては“まあ、それなりだな”と思われる回答が返ってきます。しかしもっと専門性の高い知識や斬新なものを期待しているとその期待は裏切られます。ただ、EMC入門者にとってはよい先生になると思われました。

しかしながら、現時点(@2023年4月)ではチャットGPTがバックグランドとしているデータが2021年9月までとなっているため、回答として最新の情報は反映されません。そのため、当社(EMC設計イノベーション.com、開業2022年2月)に関して質問しても“情報はありません”との回答になっています。(・・・・ちょっと悲しい。)

チャットGPTに似たAI検索としてBingのチャット検索(Bingの中で利用可能)も結構使えます。こちらは検索が基本なのでチャットGPTが回答ではより自然な文章で回答してくるのに対し、検索したweb内の文章(解説)を使って回答してくるので、例えば“EMC設計”について問い合わせると、関係するそれぞれのweb内の要旨(正否は別として)を効率的に見ることができます。

また、検索する対象は最新のデータ(といっても検索エンジンにヒットするレベル)なので最新の情報を収集する上で役立ちます。因みに当社関連の情報も反映されています。

EMC設計・対策は対象となる機器や装置によって異なり、またそれぞれのEMC関係に関して製品設計・製造の現場で“上手く行った”こと、“てこずった”ことなどをweb上で公開されることは殆どないでしょう。そのため、検索を基本とした上記のようなAIチャットから実践的なEMC設計・対策の回答を求めることは難しいのではないかと思います。そういったEMC課題に関しては当社のコンテンツを是非ご利用下さい。

しかしながら、今までの検索に比べAIチャット型は効率的に情報を集めることができるので、利用シーンによっては威力を発揮できるものだと思いました。

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