EMC設計ツールの導入とその限界

当ホームページではEMC設計でのシミュレーションツールの利用を提案してきております。その目的はEMC設計を製品設計の初期段階(回路図作成段階)で実践、所謂フロントローディングを行い、製品設計におけるEMC課題の事前対策、試作時の手戻りリスクの回避等によりEMC対策に関わる時間や費用を低減すると言った効果を得ようとするものです。

こうした考え方はEMC関連のツールベンダーの方々も異口同音で提唱されており、それぞれのツール(結構お高い)の売り文句となっています。ただ、こういったEMC関連の設計ツール(シミュレータやチェッカー)利用により得られるEMC設計の費用逓減効果は期待できるものとして、その設計ツールに関わる費用は当然のことながら無視できないものです。

ご存知の方もいると思いますが、設計ツールの導入コストはソフト・ハードを含めると数千万円になる場合があり、年間のライセンス費用も数百万円になったりします。また、専門性の高い(外国製等)ツールになるとやはり有能な専門性のあるオペレータを当てる必要があるので、それに係る人件費も必要になるでしょう。(因みに私が経験したICの設計ツール等は年間のライセンス料は億のレベルでした。)

EMCを担当されている方の中には、そういったお高いツールの導入によって担当している仕事が効率化できることをイメージして会社の上司にツールの利点を熱く説明し、ツール導入に漕ぎ着ける方もいるかもしれません。しかし、実際のEMC課題にそういったツールを適用してみるとイメージしていたよりも導入効果が発揮できないことに気付くかもしれません。そして結局EMC課題へのツール利用の頻度が減り、とりあえず“利用はペンディング”、と言った状況になったりするかもしれません。私はそんな風な現場を見たり聞いたりしました。

そもそも設計におけるシミュレータやチェッカーの適用は、設計の予測であってその背景としてある限られた条件(周波数・時間・空間等)の下でシミュレート可能な各モデルに対して適用可能な計算を行っているので、その条件下においてある程度精度の高い予測ができるのですが、その条件から外れた領域では予想も大きく外れてしまうものなのです。

また、そういったモデルにおいてもEMCにおけるノイズ源などは、インピーダンスや波形・振幅・位相等、測定自体もできないものをノイズ源モデルにしたりします。そのため、そのようなノイズ源モデルから実際の機器のノイズ測定結果をシミュレートすることはできませんし、事実、EMCの実測結果とシミュレーションが一致できたという実際のユーザーの声を聴いたこともありません。業界関係の資料に掲載されているグラフ等では実測値とシミュレーション値の間で10dB程度ずれていても“傾向は一致していた”、などとコメントされたりしています。(私は合っていないといつも思っていますが)対象がノイズなのでその程度でもよい、とか思われるかもしれません。しかし、何か精度よく施策設計(配線設計の修正とか回路素子の設定・選定等)をする上ではあまりにアバウトな情報としか言えません。

更に、どんなに高価なシミュレータを買っても、どんなに厳しいチェッカーを導入しても、そのオペレータや結果を見る関係者に「なぜそのような結果が出るのか」「電磁気学的に何が起きているのか」という本質的な理解がなければ、ツールはただの「お荷物」や「形骸化した儀式」に成り下がります。

そもそも、EMC対策は対象の製品のユーザーに対して提供する価値はほぼありません。従ってそんなところに過剰に費用を掛ける(高価なツールを適用する)ことは製品設計の上で著しくバランスを欠いた設計なのではないかと思われます。

当社は、それぞれのEMCの現場で得られている事象や結果に対してそれらに納得のいく根拠・原因を理解するためのシミュレーション方法や、学術(理論)的な情報を当社のセミナーで提供しております。そういった技術的背景を理解できるようになると結果に対する傾向がつかめるようになり、製品設計の度にいちいちシミュレーションやチェッカーを持ち出さなくても、知識に基づいた賢い設計を適用できるようになれます。寧ろシミュレーションはその設計を確認するためのツールとなるでしょう。

設計の主役はどこまでいっても「人」であり、ツールはそれを補助する道具に過ぎません。道具に投資する前に、まず道具を使う「人」に投資する(教育する)ことこそが、最も手堅く、最もリターンの大きい費用対効果となるでしょう。

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ESD試験対策に対するAI回答、、、こんなもんか

電子機器・装置のイミュニティ試験となる、ESDガンを使ったESD試験(IEC 61000-4-2)での、被試験機の動作に不具合が生じた際に、先ず行うべき対策は何かを聞いてみた。

~Copilot(Smart)の回答から~
ESDガン試験で電子機器に不具合が出た場合、まず行うべき対策は以下のようなステップになります:
〇初期対応のポイント
①不具合の再現性確認
どの条件(電圧レベル、極性、接触点)で不具合が発生するかを特定します。IEC 61000-4-2などの規格に沿って、接触放電・気中放電の両方を確認しましょう。
②試験環境の見直し
シールドルームや電波暗室での試験が推奨されます。床面に基準接地面を設け、絶縁支持台の上に機器を配置することで、試験の安定性が向上します。
③ESD侵入経路の特定
外部コネクタ、USB、電源ラインなど、ESDが侵入しやすい箇所を調査します。特に信号ラインは要注意です。
④ESD保護部品の追加検討
ESDダイオードなどの保護部品を適切な位置に配置することで、放電電流をグランドに逃がし、ICの破壊を防げます。
⑤グランド設計の見直し
ESD電流が安全に流れるよう、グランド経路の低インピーダンス化や、グランドプレーンの拡張を検討します。
⑥筐体・構造の対策
金属筐体であれば、接触点の導通性を確保し、放電が外部に逃げるように設計します。樹脂筐体の場合は、導電塗装やシールド材の追加も有効です。
⑦除電対策の導入
アースが取りにくい環境では、イオナイザなどの除電器を使って、静電気の蓄積を防ぐ方法もあります。
・・・・
等と回答してくれます。更に詳細な不具合状況を入力すると更に具体的な対策を考えてくれるというアドバイスがもらえるようですが、まあ、無料のAIアシスタントに対しては社内の機密情報に関わるかどうかを注意して聞くのがよいでしょう。
取り敢えず回答してきた内容で“試験状況を再確認する(①、②等)”、と言ったことは正しいでしょう。ただ、それ以外はあまり参考になりません。③等は“ESDが侵入し易い箇所?”、がどういう箇所なのかが分からないから不具合対策が混迷化するのです。④等はESD試験の状況が分かっていない方々がよく言われる事柄で、そもそもESDガンの電流パルスは被試験機のGND(筐体)から印加されますから、GND側を主体に流れているのです。⑤~⑦に関してもいちいち文句を言いたくなるのですが、まあ、“こんなとこか~”、“役に立たないな~”、と言ったかんじです。
そもそも、ESDガンによる電流パルス印加によって被試験機及びその回路において如何なる変化が生じているのか、の考察無くして有効な対策を施すことはできません。ESDの現象に対する単なるイメージでESD試験の不具合対策を行っていると必ず対策作業は混迷化します。そういった事例は私の現役時代に幾度も経験しました。
もし今、機器・装置のESD対策で問題を抱えている方は、是非ESDに関する知識を先ず修得して頂き、それに基づく新たな視点でESD対策に向かい合って頂きたいです。そうでないと、製品設計・商品化現場のプレッシャーと試験現場との板挟みに苦しめられます。
当ホームページでは下記の関連ページにESDに関する記事も掲載しておりますので、是非ご覧ください。
また、当社のESDに関するセミナー<ESD試験(IEC61000-4-2)対策に関する技術資料>もご用意しております。こちらも是非ご検討下さい。

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  ESD試験(IEC61000-4-2)対策に関する技術資料

EMCへのAI技術活用を学術レベルで検討

当ホームページではEMC設計・対策へのAI活用として“チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?”、“最新チャットGPT4o、 またEMC設計を聞いてみた”、“EMCの現場でありそうな課題をAIに聞いてみた。”、等を紹介してきましたが、これらは何れもAIエンジンを使った既存のホームページ等で紹介されているEMC関連の情報を検索し、それらをまとめた形で回答するというものであって、人によっては目新しいかもしれませんが、全く新しいアイディアを提供してくれる、というようなものではありませんでした。

最近あるシンポジュームで“EMC対策へのAI活用”に関するものがあり、参加・聴講してきました。ここでのAI活用はビッグデータに対する機械学習を応用したもので、ノイズ予測、EMC設計の最適化のために、機械学習や最適化アルゴリズムをEMC設計・評価支援に向けて、その可能性と課題について講演されていました。

現状においてEMCの課題の検討の際には、EMCに関わる現象は全て電気・電磁界の法則によって支配されているので、それらの法則に則った検討(ツール)により解析するのが一般的なアプローチだと思います。

これに対し、上記のAI(機械学習)によるアプローチは極端な言い方になるかもしれませんが、関係する法則等をブラックボックス化して、被試験機に対して簡易な方法で得た測定値から、本来の規程に準拠した該被試験機のEMIノイズ測定値を予測・推定する、と言ったやり方です。

規定に準拠したEMI(不要輻射)の測定は、電波暗室やそれに関わる測定機器と言った大掛かりな設備を必要とし、且つそれらを準備・測定・操作(後片付けも)するといった人工やそれに伴う時間(数時間)も必要で、それなりにコストと時間を消費します。しかし、このAI活用はそういったコストと時間を改善できる、と言ったことが期待できる訳です。

この方法に関して実践されているあるメーカー様が講演され、興味ある内容で、多少私の誤解釈もあるかもしれませんが、下記のような流れでした。

①被試験機としては、車載の電源ボックス

②簡易な測定としては、その電源ボックスとそれに繋がるハーネス群の表面(全てではなく特定箇所)の近傍磁界

③準備として、電源ボックスの部品・実装条件をいくつか変化させてその際の近傍磁界と放射ノイズを測定

④上記の測定結果をビッグデータとして機械学習し、最適化アルゴリズムを生成

~ここまでが事前準備~

⑤実使用として、評価する被試験機の表面の近傍磁界の測定を行い上記の最適化アルゴリズムを用いてEMIの測定結果を予測。予測のための計算時間は数分程度(?)のようでした。

このAIの予測値に関して、実際の規定準拠の測定値との差は+3dB程度のようでしたので、予測としてはかなり確度が高いと思われました。

ただ、気になる点として、

❶上記のような事前準備の状況をみると被試験機は外観が略同一の機器にしか適用できず、同一機能でも異なる形状の機器や全く機能の異なる機器に適用する場合はそれぞれ新たに適用させるための事前準備が必要になるように思われました。(結構面倒!)

❷規格値よりも10dB程度下のレベルでは予測値の確度の3dBは高い精度と考えられますが、規格値付近のレベルまたはそれ以上になると、予測値としては確度が高いとは言えず、本来の測定をしてみなければ安心できない値となります。(結局やってみないとわからない!)

当ホームページの“14. 電磁波における遠方界と近傍界。EMC対策では重要です。”でも記していますが、単純に近傍界の電場磁場の測定をもって遠方界の電磁場を想定することはできません。しかし、近傍界、遠方界の電磁界の関係をAIの機械学習によってその機器固有の電磁界の関係を構築できれば、

近傍界測定結果➡AI適用(ブラックボックス)➡予測遠方界(EMI)測定値

となることに対して矛盾はなく、EMCにおけるAI活用の可能性を示したものだと思われました。ただ、その実用性に関しては更なる検討・改良が必要でしょう。

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EMCの現場でありそうな課題をAIに聞いてみた。

14. 電磁波における遠方界と近傍界。EMC対策では重要です。

EMCの現場でありそうな課題をAIに聞いてみた。

当ホームページでは、過去に“チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?”、“最新チャットGPT4o、 またEMC設計を聞いてみた”、のページでEMC設計とAIについて記してきましたが、その後のAIの進展の中、EMCに関する実力を見てみたくなり、EMC対策の現場で起きそうな下記の不要輻射(EMI)の課題をAIに聞いてみました。

“電子機器のUSB2.0でクロック周波数の240MHzとその高調波が放射ノイズの規格値を上回ってしまった。先ずやるべき対策は何ですか?”

<ChatGTPで>

先ずやるべきこととして、

①クランプフェライトをUSBケーブルに仮付け
 240 MHz付近でインピーダンスが高いタイプを1~2個。数dB以上落ちれば共通モード由来が濃厚。

②ケーブルを交換(認証品・短いもの)
 改善すれば“ケーブル+共通モード”筋。

③RF電流プローブでUSBケーブルの240 MHz電流を測定
 大きければケーブル放射主因。

④近傍界プローブでUSBコネクタ周り/PHY周りをスキャン
 ピーク位置を特定して対策点を決める。

<Copilot(Smart)で>

先ずやるべきこととして、

①USBケーブルにクランプフェライトを仮付け → 240 MHz付近で高インピーダンスのタイプを1〜2個。数dB以上減れば共通モード起因の可能性大。

②ケーブル交換(短い/認証品) → 改善すれば「ケーブル+共通モード」が有力。

③RF電流プローブでUSBケーブルの240 MHz成分を測定 → 大きければケーブル放射が主因。

④近傍界プローブでPHY〜コネクタ周辺をスキャン → ピーク位置を特定し、局所対策を決める。

なんと、いずれのAIも殆ど同じアドバイスが出てきて先ずビックリ。更に、想像以上に良いアドバイスがくるなと思いました。けれど、①、③、④に関しては、“では具体的にどう対策すれば・・・”に関しては残念ながら記載が無く、各AIは“先ずやるべきこと”に続いて、“対策の方法・部品の使い方”更に“回路設計・基板設計の考え方”等を述べているので、結果的には基板設計のやり直しを迫るアドバイスとなっています。

しかしながら、もし今、機器・装置のEMC評価・対策中で問題を抱えている方は一度AIに聞いてみる価値はあると思いました。

今回は比較的アバウトな内容でEMC課題を聞きましたが、AIはユーザーのより詳しい状況を聞いてきます。より詳細な状況を入力すればより適切なアドバイスがもらえるかもしれません。また、ユーザーとしてはそういったアドバイスを予め入手できれば、製品設計の段階でのEMC設計にも活用できるかもしれません。

ただ注意する点として、AIに課題や困りごとを相談する際、書き込む内容が機微な技術情報でないことを意識しておく必要があります。特に無料のAIについては注意が必要かもしれません。

また、AIがアドバイスした事柄を実施・評価する際、その評価方法、評価基準に関して明確にできない場合があります。その評価に関して是非当社のPD適用、SD適用で期待される効果の程度を数値化して頂き、実施した対策の状況を記録して、その後のEMC設計のデータとして活かして頂きたいです。

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PD適用に関する技術資料

  SD適用に関する技術資料

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  MBD、EMC設計を革新

  DX時代のイノベーション

日本人初のESDを体現? 平賀源内のエレキテル

最近テレビの某時代劇の中で平賀源内が活躍するシーンが話題になったりしています。実は私の子供の頃にも平賀源内が主人公の時代劇があってちょっとしたブームになったことがありました。平賀源内と言えば彼が作ったエレキテル(長崎で壊れたオランダ製のエレキテルを入手し、独力で修復したとか)が有名ですが、彼なりの工夫によって世間にお披露目できたようです。エレキテルに関してはインターネット検索等で調べてみると、所謂摩擦電気(静電気)を利用したもので、起電機の類のようでした。

現在に比べ材料(素材)が限られていた江戸時代で、摩擦電気(ESD)に必須となる絶縁度が高い材料及びその組み合わせはどうしたのでしょうか?既にガラス材料(ライデン瓶等)はあったようですが、その材料をどう加工したのか?また、導体となる金属材料に関しても線材や板材(金箔等はありますが)が無い時代にどうやって極材にしたり配線をしたりしたのでしょうか?今に比べいろいろ制限のある時代。無いなりの工夫をしたのでしょう。

ただ、江戸時代の人々にとってESDによる火花放電は見世物にもなるくらいだったので、珍しい光(閃光)であって、通常生活ではなかなかお目にかかることがない現象だったのかもしれません。そのうえ医療器具(迷信じみていますが)としても使えるなどと考えたようなので、縁起かつぎや邪気を払う目的で“切り火”を使って火花を見ていた人々にとって、雷は嫌いでも小さな火花に対する気持ちは肯定的なものだったのかもしれません。

今の時代においては、プラスチックを始め絶縁性の高い素材が生活の中にあふれていますので、静電気は極めて身近に経験する現象になりました。私たちが普段着る衣料について見てみると、その材料は高分子系の化学素材であり、その分子構造は電荷(電子)の偏りを有している(分極のし易さを意味します)と共に素材自体の絶縁性の高さ(当社の“ESD設計 技術&学術”で解説しています)から異なる素材の重ね着などをした時などは、異なる素材(衣料)間の擦れ合いにより素材間の電位差の上昇と帯電(蓄電:電圧維持)が起こり易くなります。その帯電(電圧)は人体表面(高抵抗ですが導電性なのです)を通して電荷を押し出す作用により指を介してドアノブなどのヒトが触れる金属に放出されます。即ち、指先で起きるあの“バチッ”(火花放電)が起きるのです。見方を変えれば、現代人はみなあのエレキテルを身に着けているともいえるのです。

静電気による指先の“バチッ”(ESD)は誰もが避けたい嫌なものでしょう。しかし、現在の人々はそれを避けることは困難です。もし、このESDを避けたければ、常に絶縁性のある手袋をして生活する方法があります。ただまあ四六時中手袋をするのが嫌なら、江戸時代のように木綿や麻の服を着、わらの草履を履くといった格好で、旧来の木造の家に住み、木材の道具を使った仕事をするという生活様式にすればESDとは無縁になれるでしょう。できるかどうかは分かりませんが。

結局のところ、現代の私たちは静電気(ESD)と共に生活しなければならないのです。そのため電子機器にとってESD耐性は必須のイミュニティということになります。当社は、ESDに関します資料の公開や無料のセミナーも行っております。お問い合わせを頂けるとありがたいです。

尚、上記した起電機と言えば現在では理科の実験室等で見かけるバンデグラーフ起電機(大きな銀色の金属玉が付いた装置)が有名です。この装置はベルトと2個のプーリーとによる異なる材料の表面間に生じる電位差を利用して火花放電を発生させることができます。ただバンデグラーフ起電機では所謂材料同士が擦れ合うような摩擦機構はありません。(“ESD設計 技術&学術”で解説しております。)起電機は高電圧を発生させることはできますが、継続的に放電電流を流せない性質があります。当然ながら湿度にも影響されます。そのためその放電電流を維持させる(電荷を溜めては放出を繰り返す)ために蓄電器の機構が構成されています。因みに、電気を起こす装置は“発電機”では、と思われる方もいるでしょう。一般的には“発電機”は磁界変化をコイル口に与えて電気を発生させる方法(ファラデーの電磁誘導の法則の応用)のものを指します。発電機は継続的に磁界変化(磁石のNS極の回転運動)させることで継続的に電流(交流)を流すことができます。

話は変わりますが、私の現役時代にお世話になったある営業の方に、“コンデンサ(キャパシタ)は電荷を溜めるから蓄電器。ではコイル(インダクタ)は?”、と聞かれたことがありました。ある人は磁気を溜めるから蓄磁器では、などと言っていましたが、今の私としてはコイルに流れ込む電流に対してコイル側がそれを阻止する電流を自身が発電(起電)して流しだす性質なので“発電器”では、と言いたいですが、如何でしょうか?

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EMC設計、“勘と経験”はDXの障害になっているかも・・・

日々商品を送り出す現場の中で、EMC課題に取り組まざるを得ないEMC関係者もおられるでしょう。それぞれのメーカー様では新商品送り出し(ローンチ)の現場でもしEMCが問題になって、更に手詰まりの状況になっているとしたら、ローチスケジュールをキープできるかEMC担当も責任者も気が休まらない時間が続くでしょう。

商品のEMC対策の現場で打つ手としては大概下記のようなことではないでしょうか。

①ハーネス、ケーブルがある機種では先ずは姿勢調整・ケーブルのフレームへの貼り付け等

②ハーネス、ケーブルのフェライトコアの装着・追加

③回路基板の電源系パターンとGNDパターン間へのパスコンの追加

④回路基板の信号ライン(CLK等)へのビーズの挿入・コンデンサの付加

⑤問題のノイズ帯域を抑制するために何らかのフィルタを装着

等、このような手を打つのが常套手段でしょう。これで課題解決すればよいのですが、解決しなかった場合が大変なことになる訳です。ましてEMIの規格値に対して依然として10dB以上オーバーしているとしたらもう打つ手はない厳しい状況でしょう。

ただ、そんな時に実際にその対策を担当している方はその原因が自分に責任があるかのように考えてしまうことだけは絶対にしないで頂きたいです。何故なら、その原因は回路設計や実装設計の“不味さ”(たまたまその知識・情報がない)だからです。この状況にEMC対策に慣れた勘と経験のある年季の入った技術者が登場しても状況の改善は難しいでしょう。(この状況の中でズブの素人が出てきて一気に課題を解決に向かわせたという話(伝説)をよく聞きますが、真偽はともかくそういう願いがどこにでもあるからなのでしょう。)

先に記した回路設計の“不味さ”を理解して頂くために、当ホームページで紹介しているPD適用SD適用を是非検討して頂きたいです。PD適用SD適用を回路図設計段階に行うことで定量的な評価によりEMI(不要輻射)のリスクを事前に回避することが可能なのです。また、実装設計、特に回路基板設計(A/W)に関しては当社が提案しているWDの実践によりPD適用、SD適用で設計したEMI低減効果を実効性のあるものにすることができます。こういったEMC設計は事前にEMIのリスク回避として実施しておくべきことなのです。

当ホームページで紹介している、PDSDWDの検討はPC、即ち所謂デジタルの状態で行われますのでDX時代のEMC設計手法と考えておりますが、勘と経験を強み(と思い込んでいる)としている回路設計・実装設計の技術者にとっては面倒くさく、時間の無駄な方法のように思えるかもしれません。確かに、設計ツール(シミュレータ)をオペレートする(知る・勉強する)には時間を要します。しかし、一旦習得できればその後は時間を要することなくいろいろな状況で利用・応用することができます。今までの勘と経験の技術にも定量的な理解ができるようになります。更に、新たにEMC設計を行う新人に対しても勘と経験を前提とした指導をすることなく、ツールを用いて定量的にEMC設計を指導することができます。

モノ作りの現場は人手不足・技術者不足になりつつあるでしょう。よりスムーズ(時間の無駄なく)にモノ作りを進める上でDXは必要不可欠です。勘と経験での連戦錬磨のEMC対策の技術者が高齢・引退していく状況を憂いている方もいるかも知れませんが、寧ろそういった憂いを切っ掛けにEMC設計のDXに大きく踏み出して頂きたいです。

当社は、PDSDWDに関する資料の公開や無料のセミナーも行っております。お問い合わせを頂けるとありがたいです。

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2. ICの電源ライン、パスコン最適化に当社のPD適用。

EMC対策、配属新人にとって先ずやるべきことは・・・

EMC関係の評価及び対策を担当されている方々は、対象機器でEMC上の不具合に出くわした際に、“こういった不具合に対しては先ずはこの対策を”と直ぐに対策方針を即座に立て、不具合処理に着手するでしょう。その方法は少なくとも50%以上の確率で上手く行き、大きな問題に発展させることなく、担当の業務を処理していると思います。これは担当者が過去に対応した対策事例を基に培われた所謂、“勘と経験”が新たなEMC課題に対して功を奏している状況であり、長い期間経験することによりその“勘と経験”は武器となり、いつしか熟練技術者としてリスペクトされる対象になっていることでしょう。

日々新商品を投入している各機器メーカー様ではEMC性能評価として熟練技術者だけではなく、新たに職場に配属された若手や他分野の技術者(EMC分野の新人)もEMC対策の現場に臨まされていることでしょう。EMC対策の経験の少ない新人の方々にとって、EMC課題に出くわした時に不安になることは課題対策として先ず“何をすべきか”、ではないでしょうか?この“何をすべきか”、を思った時に先ずは“基礎や原理から学ばないと”、と思われた方は、真面目な方だと思います。本当にその通りです。ですが、その道のりはご自身の過去の専門分野にもよりますがとても時間が掛かります。高周波回路学や電磁気学はそう簡単に理解できるものではありません。また、市販されているEMC関連のハウツー本が手っ取り早そうに見えたりしますが、実は学術的にあまり適切ではない解説がされているものもあります。

例えば、電磁気学的な理解ができていないMaxwellの方程式の説明とか、電磁波(ノイズ)伝搬の考え方、電流における電荷と電子の概念の違い等、他にも沢山あります。更に残念なのは現在多用されているロジック半導体のCMOSトランジスタに関する知識が乏しいことで、古めの書籍(かつての技術屋さんの記事?)ではバイポーラトランジスタで説明しているものがあったりします。世の中、次から次へと新刊のEMC関連書籍が出てきていますので、選択方法の一つとしてバイポーラトランジスタを使った回路図の記載があったら、その書籍はやめた方がよいでしょう。“回路の動作原理は同じでは”、と言われる方がいるかも知れませんが、電流・電圧の使われ方が異なりますのでEMC対策のやり方も変わります。

それでも、EMC関連のハウツー本等で知識(適正かどうかに関わらず)を得たとしても多分その知識によってEMC課題を解決する上ではあまり役に立たないでしょう。何故ならば、それぞれのEMC課題に対して実際にやるべきことが書かれていないからです。基本的にはハウツー本等での知識を基に実際の活動は“自分で考える”、ということを期待されているからです。

“自分で考える”はどんな仕事でも期待されることですが、EMC関連のハウツー本からでは難しいだろうな、というのが当方の思いです。

当社はPD適用(基礎編・実践編)SD適用(基礎編・実践編・差動編)をEMC関係の方々に、EMC対策・EMC設計で先ずやるべきこととして紹介しております。ユーザーの方々はSimツールを使ってそれらのノイズ低減効果を体験して頂けます。またそれを通してノイズ低減における最低限の知識や気づき・納得感を得てもらうためのセミナーとして“EMC設計 MBDでDX! 技術&学術”を用意しております。更にWDでは回路基板のアートワーク設計で、検討したEMC設計を回路基板上に実践するためのデザインルールを紹介しております。

熟練技術者でも解決に結果として時間を要してしまったEMC対策の経験も30%程度はあったのではないかと思います。その際に感じることとして、やっぱり“EMC課題解決には原理・原則だ”、ということを思うのではないでしょうか?その30%に貢献できるのも当社のセミナーではないかと思っています。

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ESDサージ・雷サージ・・・何が起きているのか、ご存知?

EMC担当で、対象機器の外部からの脅威の耐性(イミュニティ)として、ESDサージや雷サージの試験で手を拱いた経験をお持ちの方は多いでしょう。何か対策を施して試験にかけるといったことを繰り返しても、これといった解決の方向性が見えず、時間だけが過ぎ、担当者としてはただ疲労感だけが蓄積していく、といった窮地に・・・。結構つらい状態です。

こう言った時、対象機器にサージを印加した時に何が生じているのだろう?という疑問を抱いても、やはりそのサージに対する電気的、物理的な技術や知識がないと考察することはできません。でも大抵は対策活動を続けていればいつか“ナントカなる”という信念で頑張られる方が多いでしょう。事実、上司からの“何とかしろ”とのアドバイス(?)の下、何とか解決できたという経験を持つ方も大勢居られるからです。やはり、課題解決には気合も重要な要素かもしれません。

ですがまあ、雷サージ・ESDサージの背景に関しては先ずは当社の“雷サージ試験・電源回路Sim &対策”“ESD試験(IEC64000-4-2)対策”のセミナーを受講することを勧めします。雷サージ・ESDサージ試験の背景を理解する手助けになると思います。

サージとは対象機器への外部からの過大電圧が侵入した際に機器内に生じる異常電圧をサージ電圧及び、それに伴うサージ電流を指します。従って、サージ電圧又は電流を疑似的に印加するのが、雷・ESDの各試験となります。

これらサージ試験に関して、混同したイメージをお持ちの方もいるかも知れませんが、雷サージはESDに比べ、約千倍程度サージが影響する時間(雷サージはマイクロ秒レベル、ESDサージはナノ秒レベル)が長く、ダメージとしてのエネルギーも100万倍以上大きくなります。また試験における雷サージは誘導雷と言われる落雷時に間接的に商用電源線等に生じる影響(大まかな言い方ですが)であって、落雷の直撃ではありません。

また各サージ試験により対象機器の構成部品に対してその性能の劣化・不具合を生じさせることはあっても、通常(特にESDでは)、その部品外観にまで変化(ダメージ)を生じさせる程のエネルギーとはなりません。

こう言ったサージへの耐性設計の方針として、少し解説しますと、対象機器に試験パルスを印加した際に対象機器内に生じる2次的な火花放電を制御することが重要になります。この火花放電の本質は空気のプラズマ(イオン化)状態であって、電気回路的な概念・知識では扱えない現象なのです。これらに関して、もしご興味がありましたら当方のそれぞれのサージ試験に関するセミナー及び、ESD設計技術&学術のセミナーで紹介しております。是非参考にして頂きたいです。

少し話は変わりますが、雷の発生原因や雷発生に伴う様々な現象等については未だ解明されておらず、現在に至ってもいろいろな学説があるようで、業界誌等の絵で紹介されているような、地上側が+、雷雲側が-に帯電して雷発生と言った単純なものでは無いようです。そもそも雷雲から地上への落雷の頻度は雷雲の中だけで生じる雷よりかなり低いのです。最近、宇宙からの光速微粒子(宇宙線)が関係するとの説も注目されたりしています。私としては、雷発生時の光が閃光(稲妻)の成長を助長しているのではないかと考えています。稲妻の閃光は空気のプラズマ(空気(酸素や窒素)分子のイオン化による分子の電子の励起と逆励起の繰り返し)によって生じる光なので、プラズマ化していない周囲の空気を次々と励起(光電効果)していく、所謂連鎖が生じて一連の稲妻が形成されるのではないか、などと。

山登りでは雷ほど怖いものはないのですが、高地になるほど雷は上方からではなく横とか下からくるといいます。雷が来そうなときはできるだけ早めに森林地帯に入れるように事前に行動予定を立てることが重要です。これも雷対策ですかね。

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雷サージ試験・電源回路 Sim & 対策

ESD試験(IEC64000-4-2)対策

EMC設計技術

サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

雷サージ対策 対策部品は無くてもよい!

最新チャットGPT4o、またEMC設計を聞いてみた

昨年(2023年)4月頃に“チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?”を投稿しておりますが、その当時はChat GTP3.0を使用しておりました。最近Chat GTPは著しく進化したChat GTP4o(無料:詳細については関連サイトを参照して下さい)を使用できるようになり、レイによってEMC設計について聞いてみました。尚、使用方法は従来と変わりませんが、応答の速度がとても速く、返答内容も従来よりも最新の情報が反映されているように思いました。AI技術の進化を感じます。

先ずは“EMC設計について教えてほしい”と聞いてみると、、、

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

1. ノイズ源の特定と抑制

ノイズ源の特定:回路内でノイズを発生する要因を特定します。例えば、高速スイッチング回路や電源供給回路などが一般的なノイズ源です。

ノイズ抑制:フェライトビーズ、チョークコイル、デカップリングコンデンサなどの部品を使用してノイズを抑制します。また、回路設計の段階でノイズの発生を抑えることも重要です。

2. PCB(プリント基板)の設計

レイアウト:高周波ノイズを発生しやすい回路と敏感な回路を分離し、ノイズが伝わりにくいレイアウトにします。

グラウンドプレーン:グラウンドプレーンを適切に配置することで、ノイズをグラウンドに流し込み、システム全体のEMC性能を向上させます。

信号ラインの配線:信号ラインの長さや経路を最適化し、不要なクロストークを減少させます。

3. シールド

シールドケース:金属製のシールドケースやシールドシートを使用して、外部からの電磁波を遮断します。

シールドケーブル:シールド付きケーブルを使用することで、ケーブルを通じたノイズの伝導を防ぎます。

4. フィルタリング

パワーラインフィルター:電源ラインにフィルターを挿入することで、外部からのノイズを除去し、機器内部から外部へノイズが伝導するのを防ぎます。

シグナルラインフィルター:信号ラインにもフィルターを設置して不要な高周波成分を除去します。

5. 絶縁

ガルバニック絶縁:トランスやフォトカプラを使用して電気的に絶縁し、ノイズが伝わるのを防ぎます。

6. 試験と対策

EMC試験:製品がEMC規格に準拠していることを確認するために、適切な試験を行います。一般的な試験には、放射エミッション試験、伝導エミッション試験、イミュニティ試験などがあります。

問題の修正:試験で検出された問題点を修正し、再度試験を行います。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

・・・等と答えてきます。(返答のコピー)

回答の各項目は、まあ、“当たり前”だなという感じで、“だからそれをどうやってやるのか?”というEMCの現場の担当者であればフラストレーションさえ感じてしまう内容ではないかと思いました。EMCの現場はそれぞれケースバイケースなので先ずはお題目を並べて、各自が詳細な検討するということになるのでしょう。

それは仕方がないこととして、“EMC設計の著名人を教えてほしい”と聞いてみると、外国の方々、更に日本人の方々の名前が出てきました。しかし、私の勉強不足のせいなのでしょう、存じ上げる方々ではありませんでした。EMCの業界は狭いものと思っていましたが、ちょっと残念でした。

更に、“EMC設計イノベーション.comを知っていますか?”、と当社に関する質問をすると最新のChat GTPはちゃんとEMC設計のコンサルの会社であることを回答してくれました。ちょっと安堵しました。調子に乗って更に“EMC設計イノベーション.comの評判は?”、“EMC設計イノベーション.comの注目される技術は?”等を聞いてみると、ちゃんと回答してくれました。その内容についてはこのブログを読んで頂いた皆様で是非ご確認下さい。

*関連ページ

チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?

AI、EMC対策にも進出

MBDの活用 ・・・➡現象のメカニズム理解・スキル向上の活動に

最近、自動車メーカーの開発部門におけるMBD (Model Based Development)活用の状況を聞く機会がありました。話題のMBDですが思った以上に開発・設計部門で活用されていることが分かりました。しかしまあ、MBDに関する関係者間での公開フォーラムが行われているというのは、まだまだ先進的な方法であって、本当の活用レベルは想像するしかないものの、カッコよく見せられるレベルにはある、というところなのかもしれませんが、やはりこれからの開発・設計においてMBDはより浸透していくものと確信しました。

ある自動車メーカー様のプレゼンの中で、MBDの開発部門内への浸透にはそれなりの苦労があったようで、今までのやり方に固執する保守的な方々(所謂、抵抗勢力)もいる中、必ずしもスムーズにできたのではないようでした。しかし、一度MBDを使ってみると(ここまで行くのが本当に大変)その有効性、自身の技術力向上に気づきMBD活用をするようになったようでした。このメーカー様はプレゼンされたご本人が部門長としてトップダウン(業務命令でしょうか?)で進められたようでした。さすが先進性のある方向への英断だったと思います。

自動車業界でのMBDの活用は既に個々のモデルが会社間でも流通されているようで、各メーカー様の開発部門におけるコスパ・タイパ(時短)で効果を上げているようでした。

当方が関わるEMC設計へのMBDの適用については、当方の記事“10. EMC設計、レガシー3D-SimからMBD (1D-CAE)へDX!”で既に記載しましたが、ある自動車メーカー様のプレゼンの中で述べられていたことで、私も全く同感である事柄がありました。それは、MBDを活用するためのシミュレーションできるモデルを検討することになりますが、このモデル自体を検討することは、現象のメカニズムを真剣に考える必要があるので、結果として担当者の現象に対する理解力・スキルを確実に向上させることができる、ということです。

更に、そういった理解力・スキルが開発・設計プロセスにおいて共通性があるということを見いだせれば、その情報・知識を部門内において共有できるようになり、そのプロセスにおける生産性を向上させることができる、ということです。即ち、ある技術者がある機種で苦労して検討した課題をモデル化しておけば、他の機種で似た課題を他の担当者が遭遇した際に、そのモデルを使って苦労することなく検討することができるといった効果です。

現場のEMC対策を経験してきて、強く感じたことは“現場のEMC担当者が理解できるレベルの範囲でしかその対策はできない”、ということです。やはり、真のEMC設計・対策を実践することは、“その各担当者の理解力・スキルを向上させること”、なのです。MBDを適用させていくことは、担当者レベル(高価なシミュレータをオペレートする専門的レベルは必要ない)で行えるので、各担当者の理解力・スキルを向上させる活動となるのです。

当社はユーザーの皆様にEMC設計でのMBDの考え方をご紹介して参ります。是非ご検討の程よろしくお願い申し上げます。

関連文献

10. EMC設計、レガシー3D-SimからMBD (1D-CAE)へDX!

MBD、EMC設計を革新

DX時代のイノベーション

ESDシミュレーションに新たなソルバー登場!

ESDガンを使ったESD試験(IEC61000-4-2)に関するシミュレーションに関しては、タイムドメイン(トランジェント)を使った電磁界シミュレータにより電流・電圧の状況を可視化できることをいくつかのシミュレータベンダーより紹介されています。また、私も現役時代に被試験機に対してSimによる可視化を行ってきました。但し、そのシミュレーションはESDガンを被試験機のフレーム(通常はGNDに接続)に接触させる接触放電試験向けであって、気中放電試験を対象としたものではありませんでした。

そこで接触放電と気中放電で何が違うかというと、先ず接触放電試験ではIEC61000-4-2の規定に準じたESDの電流波形(規定されたファラデーゲージで観測)を被試験機のフレーム等に直接印加する形式ですので、ESDガンによる試験環境を電気回路学と電磁気学の知識を駆使してモデル化すればトランジェント系の電磁界シミュレータでSimすることができます。それに対して、気中放電はESDガンのチップ先端と被試験機のフレーム等の間の小空間(ギャップ)を設定してそのギャップで火花放電を起こしてESDの電流を印加する形式となります。この時の火花放電をシミュレータに取り込むために電気回路学とか電磁気学を適用してのそのモデル化は困難だったのです。

火花放電にはいろいろな特徴がありますが、根源的にはプラズマ現象で生じているため物性物理学的な要素を持ちます。それに伴う電気的な性質として、

①ギャップが特定の電圧差に達するとプラズマ(火花放電)が生成し、(パッシェンの法則)

②ギャップの電気抵抗は無限大から略0に変化します。(ギャップ・陽光柱は定電流特性)

③発生プラズマには継続できる時間(nsレベル)があり、

④前述のギャップの電圧差(放電開始電圧)よりも多少低い電圧差まで継続します。(続流現象)

⑤当然のことながらプラズマが消滅するとギャップ間の電気抵抗は略0から無限大に変化します。

かつて、とあるシミュレータベンダーからこのギャップに抵抗モデルを適用することにより気中放電をシミュレートできるとの提案がありました。しかし上記①~⑤の事柄をシミュレートするのは無理ではないかと思われました。

しかし、最近EMC・ノイズ対策技術展を見学しまして、ESDの新種のシミュレーションソルバーが提案されているのをたまたま目にしました。

詳細についてはよく分からないのですが前述のギャップ空間にプラズマに関する物理的な連立方程式を適用しモデル化して、プラズマ発生をシミュレートさせた、とのこと。等価回路の適用等という無茶な方法ではなく、本質的なプラズマ現象を適用した点は“サスガ!”と感じました。説明員の話によると計算結果は完全ではないもののパッシェンの法則に従うという。すばらしい!

そのシミュレーションの簡単なデモを展示会のブースで見させてもらいましたが、かなり期待できる気がしました。ただ、火花放電が起きそうな箇所に先ほどのプラズマを計算するための物理的空間を適用し、それ以外の空間には、電磁界空間を適用するという形式になるため、適用先は限定されるかもしれませんが、例えば気中放電試験で得られた結果に対する解析のためには極めてよいと思われました。

当社はESD試験対策について当社のHPの記事、“ESD対策、スキャナツールの解析は有効?”の中でも記載しておりますが、ESDガン印加による2次的火花放電の発生を疑うことを紹介しております。将にこの可視化検討Simとして、有効なツールになり、新たな知見が得られるものと思われました。

このようなESD試験検討後の対策に関して有効な施策の例を当方のIEC61000-4-2(Part-II)とセミナーの中で解説しております。是非ご参考にして頂きたいです。

関連ページ・・・こちらもご覧ください。

27. ESD試験時の2次放電発生の予見をsimで確認・・・これが不具合原因!

ESD対策、スキャナツールの解析は有効?

”ESD対策の新たなる進展はあるのか?”

”ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

ESDスキャナで観測。でもやっぱり対策はいつものGND強化?

”4. ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

“ESD試験(IEC61000-4-2)対策に関する技術資料”

サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

機器・装置/ロボットにトラブル発生!不具合解析に行き詰まったら...

空気の乾燥はESD(静電気)対策の大敵?

サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

今年も梅雨の時期となり、EMC試験の現場では試験環境の湿度は高くなりがちではないかと思います。静電気、放電といった言葉を聞くと“空気の乾燥”が原因と考える方が多いと思います。それは自然界における静電気現象として正しいのですが、EMS(イミュニティ試験)としての放電・サージ関連の試験は実は湿度が高い方が機器・装置にとって不具合発生のリスクが高まります。(詳細については当方のIEC61000(Part-I)及びコンサルブログ“空気の乾燥はESD(静電気)対策の大敵?”の中で解説しております。ご興味のある方はそちらを参考にしてください。)

この辺が、ESD試験が実際のESD現象とは異なるメカニズムである反証となるのですが、でもまあESD試験をパスすることが開発機器を一般市場に出すためのルール(規格)として必要になるので、試験をパスさせるための対策作業が必要になる訳です。

かつて私もESD試験の現場で原因のよく分からない不具合発生とその対策に結構苦しめられた経験があります。その当時はESD試験に関する原理やメカニズム等を全く理解していなかったため、何か機器・装置にそれらしい対策を施してひたすらESDガンの引き金を引いておりました。当然のことながら対策が上手く行かず暗礁に乗り上げて、対策が行き詰まる状況になったりしました。

ただ、ESDパルスの印加と不具合発生に関してパルス印加による機器・装置内での2次放電発生の関係に気づいてからは不具合発生の対策方針を立てやすくなりました。この2次放電の発生は、対策環境の湿度が高くなると発生しやすくなる傾向にあります。少なくともESD試験の湿度範囲(相対湿度 30~60%)で、できれば低めの湿度で行うべきです。大概、ESD対策時の担当者はESDガンの設定電圧や打ち込み回数・頻度を高めに設定して行うでしょうから、湿度を低めの状態で試験を行っても機器・装置の耐ESD性能の評価に問題は無いでしょう。

尚、ESD試験対策として有効な施策の例については、当方のIEC61000(Part-II)の中(セミナー)で解説しております。是非参考にして頂きたいです。

この時期のESD試験を行うシールドルームの壁面等は冷房等により結露が生じ易い状態になっていないでしょうか?もし結露が生じるような状態でしたら是非、試験環境の湿度を気にして頂き機器・装置のESD試験対策をやって頂きたいです。

関連ページ・・・こちらもご覧ください。

27. ESD試験時の2次放電発生の予見をsimで確認・・・これが不具合原因!

ESD対策、スキャナツールの解析は有効?

”ESD対策の新たなる進展はあるのか?”

”ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

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”4. ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

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ESDシミュレーションに新たなソルバー登場!

機器・装置/ロボットにトラブル発生!不具合解析に行き詰まったら...

空気の乾燥はESD(静電気)対策の大敵?

企業技術者のリスキリング・・・EMC設計も是非!

昨今、日本国政府による中高年企業人(新しいことにトライする機会がなかった方々)向けにリスキリング(re-skilling)を支援する施策が行われています。

私の現役の頃にはそんな支援は当然ありませんでしたが、担当していた技術(特に高周波関連)は技術トレンドが結構早く変化していたので、自分が見出した特許技術も数年後に陳腐化するという経験を目の当たりにしていました。そんな現場にいましたので、担当した技術の現場も転職を含めて結構変わり、それぞれの新たな仕事に合わせた知識・技術の習得(シミュレーション利用)をやってきました。まあ今風に言うところのリスキリングを当たり前にやっておりました。

また、特に企業のエレキ技術者にとっては未踏の領域(フロンティア)等は殆どなく、先駆の技術者によって殆どのエレキの領域は開拓されており、その知識・ノウハウは多くの文献(技術報告書等)で紹介されているので、自分にとって新たな分野・領域に進む際にはそれらを事前(又は業務を進めながら)に調べておくことが新たな仕事を進める上で非常に役立ちました。

しかしながら、かつての私の周辺にはそういった準備を怠り、勘と経験・耳学問のみで仕事に取り組む輩も居り、当然ながら出せる結果も“やらなくても分かる、金(百万クラス)と時間(週間単位)の無駄遣い”といったものを多々目にしました。中には科学的な立場さえ無視した妄想ばかり言う、“無知の極み”の愚かささえ気づかない輩もいました。(大概こう言う人は声がデカい!責任も取らない!)

昨今のエレキ関係では同じ業務を長く続けることは残念ながら今を生きる技術者にとっては良くないこと(不幸)だと思います。やはり多くの技術が身に付くように多くの技術の現場を経験(リスキリング)すべきです。私の場合、長年担当した高周波技術や実装技術、IC設計技術が現在の当社が紹介しているEMC設計の基盤になっていますし、一見関係がなさそうなプラズマ関係をかつて担当した際に勉強した事柄が現在の当社のESD設計の基盤になっております。更に、それらの設計にシミュレータを適用するというのも今までの経験が活きております。

現在、企業のエレキ技術者として活躍されている方々は、是非多くの領域で新たな仕事にチャレンジ(リスキリング)をして頂き、多くの知識・技術を得て頂きたいと思います。そして、その中で是非EMC関連も経験して頂き、できれば当社のEMC設計のセミナーもご活用して頂きたいです。

新しいEMC設計の考え方、更にDXの方法についてご紹介致します。

*関連ページ

      MBD、EMC設計を革新

チャットGPT 、、、EMC設計に使えるのォ?

EMC設計を昨今流行りのチャットGPTで何か役立てることができるのか?当方も早々チャットGPTをインストールしてEMC設計についていろいろ質問をしてみました。

結論として、基本的にチャットGPTは会話型の検索エンジンですので、ある程度EMCの知識のある方々にとっては“まあ、それなりだな”と思われる回答が返ってきます。しかしもっと専門性の高い知識や斬新なものを期待しているとその期待は裏切られます。ただ、EMC入門者にとってはよい先生になると思われました。

しかしながら、現時点(@2023年4月)ではチャットGPTがバックグランドとしているデータが2021年9月までとなっているため、回答として最新の情報は反映されません。そのため、当社(EMC設計イノベーション.com、開業2022年2月)に関して質問しても“情報はありません”との回答になっています。(・・・・ちょっと悲しい。)

チャットGPTに似たAI検索としてBingのチャット検索(Bingの中で利用可能)も結構使えます。こちらは検索が基本なのでチャットGPTが回答ではより自然な文章で回答してくるのに対し、検索したweb内の文章(解説)を使って回答してくるので、例えば“EMC設計”について問い合わせると、関係するそれぞれのweb内の要旨(正否は別として)を効率的に見ることができます。

また、検索する対象は最新のデータ(といっても検索エンジンにヒットするレベル)なので最新の情報を収集する上で役立ちます。因みに当社関連の情報も反映されています。

EMC設計・対策は対象となる機器や装置によって異なり、またそれぞれのEMC関係に関して製品設計・製造の現場で“上手く行った”こと、“てこずった”ことなどをweb上で公開されることは殆どないでしょう。そのため、検索を基本とした上記のようなAIチャットから実践的なEMC設計・対策の回答を求めることは難しいのではないかと思います。そういったEMC課題に関しては当社のコンテンツを是非ご利用下さい。

しかしながら、今までの検索に比べAIチャット型は効率的に情報を集めることができるので、利用シーンによっては威力を発揮できるものだと思いました。

*関連記事

最新チャットGPT4o、 またEMC設計を聞いてみた

AI、EMC対策にも進出

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ESDスキャナで観測。でもやっぱり対策はいつものGND強化?

最新のESD対策のツールとしてESDイミュニティースキャンという評価システムが米国の会社より紹介されています。既に大手メーカーが採用しているようでした。そのシステムの概要は、ESD試験(IEC64000-4-2)に近いパルスを近傍界プローブよりピンポイントで回路基板上の任意の箇所に照射して、その際に生じる回路機能の不具合を感知する、といったことを回路基板の目的の領域に対して繰り返し行い(スキャニング)ESDパルスに対する脆弱な領域をマッピング・可視化することで機器に対するESD試験における不具合対策を検討・実施するというものです。

さすが、“ESDの脆弱箇所を可視化する”という発想が素晴らしいと思いました。この結果と従来から紹介されているESDパルスの電流の拡散状況を重ねることで、どこでESD試験による不具合を起こしている(又は起こす可能性が高い)かを見出すことができる、ということになる訳です。素晴らしいです。

ただ気になるのは、ESDパルスに対する脆弱箇所を可視化できたとして、次にそれに対してどう対策すべきかは自分で考えなくてはならない点です。センスがよい技術者はその対策方法に行きつけるかもしれませんが、多くのEMC担当者にとってはキビシイものかもしれません。

最近、上記システム(ツール)を利用して製品のESD試験対策を行ったユーザーさんによるプレゼンを聴講させて頂く機会がありました。そのユーザーさんは製品の不具合とESDの脆弱箇所との関連付けに成功したように見えました。ではその結果に基づきどういった対策をとるのかちょっと期待を寄せていたら、対策現場でよく行われる基板のGNDと機器のフレームとを銅箔で貼る(所謂GND強化?)、不具合に関係するICの端子にパスコンの追加、といったところでした。その対策がベストであったとして、使ったシステムの結果との関係性(どうやって対策方法に至ったのか)についてもう少し聞きいてみたいと思いました。あまり詳細な説明はできないといった制約があったのかもしれません。しかし、実施された対策方法が現場の担当者なら誰でもトライする方法なので、もしこの程度のものなら現状のESD対策の現場を改善とか・新たな展開を期待することは難しく、新たなシステム(ツール)を導入するメリットは小さいように思われました。

やはり、先ずESDに関する技術的・学術的理解を深めるべきです。“機器に何が起きているのか“の考え無しで、勘と経験とか導入するツールに頼ってESDの対策をするのは時間の無駄遣いに陥り易いものです。

是非当社のESDに関するセミナーをご参考にされることをお勧めします。

関連ページ・・・こちらもご覧ください。

27. ESD試験時の2次放電発生の予見をsimで確認・・・これが不具合原因!

ESD対策、スキャナツールの解析は有効?

”ESD対策の新たなる進展はあるのか?”

”ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

”4. ESD及び静電気による機器・装置の不具合解析に当社のESD2

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サージ関連試験での不具合対策は試験パルス印加による2次放電発生も勘案して

ESDシミュレーションに新たなソルバー登場!

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空気の乾燥はESD(静電気)対策の大敵?

シミュレーション設計・・・見えざるリスク・Sim結果が誤り?

昨今のDXの流れの中で、機器・装置の企画・設計プロセスでのシミュレーションツールを使った電子データ(デジタル)段階での検証に大きな期待が持たれていると思います。何故なら、その目的として従来の設計プロセスにおける各担当技術者の業務負担の軽減と設計プロセスにおける費用対効果(コスパ)の改善が期待できるからです。

シミュレーションと聞くと、何となく技術的(テクニカル)でかつ学術的(アカデミック)な雰囲気から、そこから導き出された結果について大抵の技術者は受け入れるでしょう。寧ろ結果を否定する客観的な根拠を挙げることの方が難しいと思います。“多分上手く行っているんだろう”という印象を持たれるでしょう。

でも、“シミュレーション結果が誤ったものだった!”ということもあるのです。

シミュレーションはツールとなるシミュレータ自体に問題はないにしても、そこに設定したシミュレーションモデルや条件設定には多くの課題があります。主なものを挙げますと、

①Sim対象に関する仮説(前提)に関する可否

②諸条件の可否

③設定したモデルの構造の不備

④結果に対する評価

・・・・

上記の件について私が長く経験した電磁界Simの場合に当てはめてみますと

①については極めて重要であり通常Simを行う場合、得たい結果を予測してモデルを設計していました。そもそも、こういったSimを行う目的はSim対象において起き得る問題に仮説を立て、その仮説の検証と、その問題レベルを可視化するために行うものなのです。そのためただ単にモデルをシミュレータに突っ込んでSimしたら思いがけない結果が得られた、等ということはあり得ず、“事前に課題と仮説ありき”で始めるものなのです。従って、この最初の段階で道を誤ると何の意味もないSimとなります。

②についてはSim計算を早く収束させるためにSim結果に影響が少ないだろうと思われるモデルの構造に対して簡略・省略を行ったり、Sim計算する空間を制限したりします。そういった調整がどの程度計算結果に影響するかをいちいち検証することはハード(計算機)側のリソースに制限があるのでできません。あくまで勘と経験(Simと実測の結果の比較等)で行います。

また、不要輻射(EMI)のSim等はノイズ源となるSimの信号源をどこに置くかも課題です。またその信号源のインピーダンスをどう考えるかも定まったものはありません。私の場合、今までの経験で決めていたというのが正直なところです。

③に関しては、痛い経験があります。ある構造物に関するSim結果でEMIに関して顕著な傾向が出てきたことから関係者に注意すべき点を説明したのですが、実機の測定では全くそのような傾向は現れず、よく調べてみたら作ったSimモデルに絶縁であるべき箇所が短絡していたというエラーが見つかりました。結果として、関係者に必要のない迷惑をかけ、Sim設計の信用度を落としてしまいました。やはり、シミュレーションにはオペレータによるSimモデルのエラーの見落としが起きてしまうリスクがあるのです。

④については③にも関連しますが、取り敢えずSimの計算が終わって得られた結果を見て明らかに正しい/おかしいと判断(電磁気学的、高周波回路学的に)できる場合はよいのですが、それなりの結果が出てきた時に、それをどう解釈するかが問題になる場合があります。特に3D表示で示される結果は一見カッコよく見える(ホントーは分かりにくい)のですが、“何故そうなるのか?”が説明しづらいのです。オペレータとしては説明できそうな現象に結び付けて解釈し、関係者に説明してしまうケースもあるでしょう。本来であればいくつかの条件を変化させたSimを繰り返してから結果の傾向を読み取り、それを関係者に報告すべきでしょう。しかし、一回のSimの時間に1日程度かかるような場合はSimの繰り返しは難しく、こういったSimを時間が限られた製品設計の現場に適用していくのは厳しいでしょう。

Sim結果の報告の現場で、関係者から“課題に対するSimの結果はわかりました。ではその対策方法を教えてください。”等といわれるシーンが結構ありますが、“課題に対するSimの結果”だけでは対策方法がわからないのが現実です。

電磁界Simを例にシミュレーションについて述べましたが、高度で複雑なシミュレーションになる程に第三者には見えない部分が増え、シミュレーションの精度も分かりづらくなってくるものです。最悪の場合、出てきたSim結果で研究開発の方向を誤る場合も出てきます。そのため高度で複雑なシミュレーションは複数のオペレータによって、チェックをされながら進められるべきです。しかし、電磁界Simレベルのオペレータには一人で複数の課題を担当するのが通例でしょう。やはり上述したリスクを抱えたSimとなってしまうのです。

やはり、EMC設計に適したシミュレーション活用は当社が提案しているMBD(Model Based Development)となるPDSDです。Simモデルが簡易で計算時間もごく短時間、結果が1D-グラフで傾向が分かり易い上、回路設計者であれば誰でもモデルや結果を検証し易い特徴があります。是非ご検討下さい。

*関連文献

2. ICの電源ライン、パスコン最適化に当社のPD適用

3. 信号ラインのダンピング抵抗、当社のSD適用のSimモデルで抵抗値を設定

10. EMC設計、レガシー3D-SimからMBD (1D-CAE)へDX!

MBD、EMC設計を革新

ループ状配線 ➡ノイズのアンテナは考えすぎ

回路基板のA/W設計において、注意すべき配線設計として“ループ状配線の回避“が挙げられています。このループという言葉の響きだけで中学生の理科で学んだコイル(ループ)から出てくる磁力線をイメージして、ループアンテナができて電波(ノイズ)が空間に放出されることを考える方もいるでしょう。

しかし、上記のコイルやループは本当に電波を受信・送信するアンテナになるでしょうか?

実際に市販されているAM帯のラジオ(526.5kHz~1620kHz)のアンテナはループ(コイル)形状を使ったアンテナです。ただこのループアンテナ、AM帯の波長に比べてかなりコンパクトだと思ったことはないでしょうか?FM帯(47MHz~108MHz)用のループ形状のアンテナもあったりしますが、それに比べても小さい形状になっています。

実は、AM帯のループ形状のアンテナは基本的に受信しかできないアンテナなのです。少しアンテナの知識をお持ちの方なら、アンテナならば受信・送信の双方ができるもの(同一アンテナの相反性)と理解されていると思います。“8. ノイズも電磁波。検出するのはアンテナ?プローブ?”でも説明しましたが、AM帯のループ形状のアンテナは空間の高周波磁界を検出するプローブであって機能としてはコイル(空芯のインダクタ)なのです。AMラジオではこのコイルで受けた高周波磁界で高周波電流を生じさせて、それにつながる同調回路によって目的となる周波数(チャンネル)を選択します。

このAM帯のループ形状のアンテナに無理やり送信周波数を入れようとしても、ループ形状のアンテナからは磁界成分しか形成できないため、“11. ノイズという電磁波。では電磁波とは?(1)”の中でも述べていますが、電波伝搬として必要なTEMモード(電波伝搬方向に対して横側に電界と磁界を形成)を構成することができず、ループ形状のアンテナから電波を放射することはできません。

因みに、テレビ放送のUHF帯(470MHz~770MHz)で利用されているループ八木アンテナのループは磁界の検出ではなく電界を検出するために機能しており、コイルを巻いたループアンテナとは異なる動作原理のアンテナとなっています。(このループはその開口面を飛来電波の磁界成分側に向けて使用することはありません。)

以上のことから、回路基板の配線設計で配線形状が何となくループ形状になっているからと言ってその形状がループアンテナになることはありません。特にベタのGND層が形成された多層基板で配線した形状がループ形状であってもその配線パターンから電波(ノイズ)が放出されることはありません。但し、配線長が波長短縮の影響を加味してノイズ周波数の半端長レベルになるとループ形状等に関係なくノイズ放射のリスクは高まります。このノイズ放射のリスク回避の方法に関して当社の”SD適用(実践編)“の中で解説しております。

A/W設計の注意事項として“ループ配線を避ける”というものは所謂イメージです。そんなことよりもEMC設計実践のためにもっと注意を払わなければならないA/W設計事項があります。当社の“WD”ではEMC設計上必要とするA/W設計事項とそれを基板設計に反映させるための方法をご紹介しています。

是非、当社のPDを含めて、SD、WDをご検討ください。

“GNDが揺れている”、って何ッ?

機器のEMI(不要輻射)の対策の現場で、観測されるノイズのレベルが規制値以下になかなか下がらず、どう対策すべきか苦闘しているときに現場の担当者がよく口にするフレーズで、“機器のGND(機器の金属フレームを指す場合も)が揺れているのでは?“があります。

何気なく口にするこのフレーズ。では実際にGND電極・構造物にどんなことが起きているのか考えたことがあるでしょうか?

思いつきそうなことを下記に列挙してみました。

①GND電極の至る所で異なる電圧が発生している。(水面が波立ったイメージ?)

②GND電位の構造物の特定箇所(端部とか中央部)の電圧が±の電位で変動(振動)している。

③ノイズがGND電位の構造物にノッテ(?)いる。(憑依するイメージ?)

④GND電位の構造物がアンテナとなってノイズを放射している。

・・・・

などGND電極におけるノイズに関係した電圧について思いを巡らし、その電圧が電波(放射ノイズ)になると考えられているようです。そもそもその考え方の根底にあるのは、GND(いわゆるよいGND)の電位は常に0Vであって、それが構造物であっても至る所0Vであるという考え方があるためではないかと思います。

市販のEMCのハウツー本等では信号・電源のGND、フレームGND、システムGND等を定義して、より概念が高位(?)のシステムGNDの電位は0Vであるので、信号・電源のGND、フレームGNDはシステムGNDに対して電位差を持たないようにGND電極の電位を設計すれば放射ノイズを低減できると解説しています。(GND電位絶対説?)

理想的にはそうなのかもしれませんが、実際の機器の設計においては、信号・電源のGNDは回路基板内に形成することになります。フレーム(金属)についてはフレームに回路基板を装着・固定するために回路基板のGND電極と電気的に接続(ESD耐性や電気安全規格の関係)させるため、GND電位にします。しかしながら、システムGNDは機器の内部には存在しません。仮にEMIを測定する電波暗室の床面がそれに当たるとしても、その電波暗室の中でしか成り立たないものになります。

ではGND電極は0Vとなる電位をもつものなのでしょうか?

上記の①、②に関しては当方の技術解説<9. ノイズ電流の流れ方。その前に前提のモデルを考えて。>でも説明していますが、DC・ACに関わらず電気・電力は正負ニ極により伝送されます。そのニ極の間において正負一対の電荷が伝導していきます。電荷があるということは電位がある(0Vではない)ことを意味します。信号・電源ライン(活線)の電位は同一箇所・同一時間のGND電極の電位に対するもの(電位差)で、信号源(電源)の電圧レベルが維持されるように、GND電極の電位はその活線側に合わせて変動しています。よって0Vをキープするものではないのです。GND電位を0Vとするのはあくまで“仮定で”とか“相対的に”といった前提から設定したものなのです。

③については、上記の説明の如く、GND電極だけの単一極のみで電気・電力が流れ込むことはなく、設計者が積極的にGND電極へノイズが結合するような構造を作らない限りフレームのGND電極にノイズが“ノル”ことはないと考えられます。ただまあ、相当に運悪く電気的結合構造が偶然できてしまうという状況は全くないとは言えないかもしれませんが。

④に関しては、EMIの主要因として考えるのは難しく、フレームのGNDや回路基板のGND、更には回路基板間を電気的に接続するハーネスがある場合は、それらがEMIに対して複雑な影響を与えます。こういったEMI対策検討として、放射されるノイズの偏波特性(水平&垂直)をよく見てみることは意味があります。偏波はノイズの放射器となってしまった構造物・形態に関するヒントを与えてくれる場合があるからです。フレームがアンテナになるような場合は回路基板やハーネスと関係(電気的・構造的:“EMC設計 MBDでDX! 技術&学術”で解説)があり、そちらを先ずよく観てみるべきでしょう。仮にフレームがアンテナになっていたとして、製品の外観を形作るフレームを試作が進んでいる段階でその構造・構成を変えることは製品設計~出荷プロセスの中では極めてリスキーです。実施できないEMI対策でしょう。

いづれにしても、“GNDが揺れている”と思ったところでEMIの課題が解決する訳ではありません。課題解決のための適切な知識を持って対策することが重要です。

当方が解説しております、PD、SD、WDにおいてはフレームGND、システムGND等の考え方は必要ありません。あえて否定するものではありませんが、“特に考える必要はない”といったところでしょう。実機によるEMI測定・対策する前の段階でEMIリスクを低減できます。是非ご検討ください。

*関連ページ

22. EMC対策、グラウンド(GND)に関わるイメージに要注意!

16. GND-Via その配置間隔にルールは無い

EMC設計はGND強化! って~なんの強化なの?

7. GNDが関わる機器EMI対策につて考えてみる。

19. グランドループ➡ノイズ放射・・・過剰な妄想かも!

21. 機器・装置間の接続ケーブル・・・シールド線(GND)は両端接続が基本!

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EMC設計と言いますと、PI/SI/EMCの検討と言いますが...

本ブログに訪れて頂いた方々は既に多くのEMCのエキスパートの方々のセミナーでEMC設計を行うためにPI/SI/EMCの検討することを見たり、聞いたりしていることでしょう。しかし、この検討のEMC設計に対する可能性と効果を認めつつも、実際の機器・装置の設計・試作を行う段階でこの検討を実施されている技術者の方々は少ないのではないでしょうか?

PI/SI/EMCの検討に最適化されたツール(PCソフト)はいくつも出回っており、そのツールに設計する機器・装置の回路条件・実装条件を入れ込んで行けばEMC設計ができるはずと考え、そのツール(結構高価なものですが)を設計部門に導入して専任のオペレータも張り付けてEMC設計の検討を始めるのですが、結局設計部門では使われなくなっていく、と言った状態ではないでしょうか。

例えばPI。設計対象のIC(例えばSOC)の電源端子から見た電源ラインのインピーダンス(インプットインピーダンス:既に高周波回路理論が分からないと意味が分からない概念です)をSOCの電源端子の(負荷)インピーダンス(ターゲットインピーダンス)よりも低く設定させる検討となります。

インプットインピーダンス/ターゲットインピーダンスと、分かりにくい概念を使用しますが、基本的にはΩ単位で表現されるので、評価としては2つのインピーダンス値を比較するだけです。しかし、ターゲットインピーダンスなるものは、ICベンダー側がICユーザー側に提供されるべきものなのですが、大概の場合提供されません。またICの設計側としても算出に当たり理論的な扱いは理解できても実際のICから導出するのは難しい(面倒?)なものなのです。(但し、安全係数を掛けた適当に低い値は設定できます。)

また、ICベンダーとしては提供するICを安定動作できるために推奨回路(リファレンス)を用意しており、ユーザー側はそれを深く検討することなくそのリファレンス通りの回路を基板に実装します。結局、PI検討の出番がないのです。
これに対して、当方のPD適用はインピーダンスという概念は必要ありません。回路図設計段階で基板間を接続するケーブル経由の電源ラインを含めて検討対象のIC電源端部に設定すべきパスコンの条件を最適化できます。またこの最適化は電源ライン起因で放射されるノイズ(不要輻射)のエネルギーレベルに合わせて行うことができます。また、ICベンダー提供のリファレンス回路におけるパスコンの個数の削減検討にも利用できます。

次にSIですが、現在市販されているSIツールで行うことはSOCや各種ドライバーIC、メモリーIC等の信号受信端における信号波形の確認、更には信号波形のアイパターンの確認と言った信号波形品質をSimで確認することになります。昨今のGbpsレベルの高速インターフェースに関しては信号ラインを含めて事前にSIを確認しておくことは必須だと思いますが、10MHzレベルのCMOSロジックの信号に関して事前にSIを検討するケースは少ないのではないかと思います。実はSIと不要輻射(EMI)の関係について詳細に解説している資料・文献は無いのです。

これに対して、当方のSD適用では回路図設計段階で基板間を接続するケーブル経由の信号ラインを含めて検討する方法及びSim結果の波形からEMIに関わるデータが得られると共にその対策方法も提供しその状況をSimで確認できます。
最後にEMCですが、基本的には製造する回路基板(プリント基板)のA/W設計に対するルールチェックであり、ルールチェッカー(PCツール)を適用することになります。このルールチェッカーに関する問題点は当方のホームページ内の” 5. 回路基板におけるEMC設計の実践と検図。当社のWDを提案。”で紹介しています。チェッカーツールとしては想定されるNG項目を並び立てることがメインの機能なのでそれにまじめにお付き合いするか、無視するかはユーザー側に委ねられるので設計現場の都合からチェッカーを使う意義が問われ、結局使われなくなります。

これに対して、当方のWDではEMC設計として実施すべきA/W設計項目を規定して、その実施状況をチェックするやり方です。規定したA/W設計項目はCAD作業の際の作業指示書として作成してCAD作業者が実施したことをチェックし、このチェックの状況を基板CADの受け入れ側がチェックします。これにより基板のA/W設計段階で想定されるEMC設計上の懸念事項に対応することができます。(もしそれ以外にもEMC課題があったとしても、想定外の事柄を事前に盛り込むことは不可能です。)

もし、これらからEMC設計を検討されるようでしたら、是非当社のPDSDWDも検討候補の一つにして頂けるとありがたいです。

※関連ページ

     2. ICの電源ライン、パスコン最適化に当社のPD適用。

     3. 信号ラインのダンピング抵抗、当社のSD適用のSimモデルで抵抗値を設定。

     5. 回路基板におけるEMC設計の実践と検図。当社のWDを提案。

     公開技術資料

     MBD、EMC設計を革新

     MBDの活用 ・・・➡現象のメカニズム理解・スキル向上の活動に

EMC設計はGND強化! って~なんの強化なの?

回路基板の構成で、例えば4層基板の第2層目をベタGNDパターンにするのは定石のなようなものであって、これをもって、強化(限られたパターン領域において支配的?某国の領土のように?)というのであれば正しいでしょう。ベタGND即ちGND側電極の共用化は、回路基板内の各活線(信号/電源)を目的のポイント間で配線する際に、回路基板のいたる所で対向極(GND)電位を確保できるという点で、配線設計の上での消費面積を小さくできる点でも優れています。

よって、多層基板内のベタGNDは基板設計上不可欠な設計方法と言えます。また、配線パターンとなる活線側から出る(or入る)電気力線が常に対向するGNDベタパターンに向かう形態(モード)になるので、EMCの観点からも好ましい構成と言えます。電磁界シミュレーションで確認できますが、活線パターンとGNDパターンの対向している領域(絶縁層)に電界が集中し、対向した各電極の表面側にそれぞれの電流(流れ方は反平行)が集中します。GND側がベタパターンであってもその電流分布が広がることはありません。

しかしながら、EMCに関するハウツー系の解説では

①ノイズの逃す先のGND

②GNDのインピーダンス(インダクタンス)を低く抑える/GND間での電位差がノイズに

と言ったGND-ノイズに関する記述が沢山あります。しかしながらこれらはイメージであって、誰もそれを測定したり計算したりして定量的に確認したことが無いものなのです。

そもそも、回路基板上の電気は2極(⊕と⊖/活線とGND)の電極によって2極間の電位差として伝達されます。(詳しくはこちらページで!)また、GND電極側をリターンパスとよく記述されていますが、高周波(交流)信号が伝達される際は見かけ上活線側がGND側に対する高周波電流のリターンになる瞬間(位相)もあるわけです。このリターン(直流・交流を問わず)の考え方は慣用的なものであってEMC関係の初心者向けに分かり易く説明するための所謂“EMC解説モデル”によるものなのです。

この“EMC解説モデル”によりGNDに関して上記の①②の解説が行われています。実際EMI対策の現場でGNDに関わる施策により不要輻射の傾向が変化する状況を経験するとGNDに対する信望(救いの神)の様な思いを持つようになるのかもしれません。

しかし、上記の①に関しては実際のGNDパターンは電源ラインや信号ラインにおける対向極でしかないので、ノイズを吸収したり、貯めたり、電源側に戻したりする機能はありません。

また、②に関しても高周波回路を勉強された方ならわかると思いますが、2極の伝送路では高周波の波動性から異なる箇所での活線とGND間の電圧/電流(同一時間で)は異なりますが電力としては同一なので、一定値の負荷の端子においては必要とする電圧/電流を確保することができます。従って、回路基板上の大概の2極の伝送路では送受信間で必要とする電圧のやり取りが可能です。(但し、極端に伝送路が長い場合や、周波数が1GHzを超える信号等の場合は他に考慮すべき事柄が出てきます。)

“EMC解説モデル”は“あくまでそのように説明できる”、と言ったものなので計算式は無く、またあったとしても代入する数値を特定できなかったりするため、シミュレーションツールに適用することはできません。あくまで定性的な説明となります。

当社のEMC設計は学術的な背景に基づいたモデルを用いているので、計算やシミュレーションを適用でき、対象となるEMC設計に関して定量的な検証・解析をすることができます。即ち、EMC設計ツールとして使うことができるのです。

是非ご検討、宜しくお願いします。

*関連ページ

    22. EMC対策、グラウンド(GND)に関わるイメージに要注意!

     “GNDが揺れている”、って何ッ? 

    16. GND-Via その配置間隔にルールは無い

     7. GNDが関わる機器EMI対策につて考えてみる

    1. LTSPICEシミュレータを使ってEMC設計を行う

    2. ICの電源ライン、パスコン最適化に当社のPD適用。

    3. 信号ラインのダンピング抵抗、当社のSD適用のSimモデルで抵抗値を設定。

    10. EMC設計、レガシー3D-SimからMBD (1D-CAE)へDX!

     電源系30MHz帯ノイズ Sim & 対策

     EMC設計 MBDでDX! 技術&学術

     公開技術資料

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